トマス・M・ディッシュ

『334』 トマス・M・ディッシュ

再読。8年前に読んだ時はさっぱり分からなかったが、今回は凄い作品だとようやく気づいた。ひと言で言えば「大人のSF」。閉塞された未来社会において日常の小さい悩みや怒りや寂しさに耐えながらわびしく生きる人間の切ない姿が、周到な構成と豊富で斬新なア…

‘The Dreams Our Stuff Is Made Of’

もう正月デザインにしてしまった。 で、今年最後はすげー時間かかったけど(1年以上)何とか最後まで眼を通しましたこの本。前半の内容は忘却のかなたですけどね!まあ内容を把握できてない自分がいうのもなんですが、現代SFを俯瞰するのに避けて通れない…

『歌の翼に』は9月刊行予定

少し前に情報がアップされていたのでご存じの方も多いと思うが、ディッシュ『歌の翼に』がようやく出そう。なるほど<未来の文学>に組み込まれたということなのね。いずれにしても良かった(今度は『ダールグレン』の方が心配になったり)。

SFマガジン5月号 ベイリー&ディッシュ追悼特集

待望の二人の特集号である。エッセイや特集解説をあっさり読み終えてしまうと、前にも書いたように二人いっぺんというのは分量が少なくて残念だなあと感じたのだが、短編がどれも両者の個性が出ていて気を取り直した。 ベイリーとディッシュ。同じニューウェ…

ディッシュ&ベイリー特集

そうそう。もうすぐ出るSFマガジン5月号(3月25日発売)はディッシュ&ベイリー特集だ!二人まとめずに、それぞれで十分な分量の特集を組んでもらいたかった気もするが。いやいやこの際気を鎮めて待つことにしよう。皆さんもお買い逃しなく!

いまいちど『歌の翼に』

再読してみた。やはり名作である。 基本的なストーリーは皮肉屋ディッシュとしか言いようのない展開で、彼の最期を思うと実に痛ましいシーンも散見される。しかしこの小説の柱には主人公ダニエルの飛翔への憧れが絶え間なく流れているし、ヒロインであるボウ…

『歌の翼に』!ぜひ!

京フェスには行っていないんで『歌の翼に』の復刊話も知らなかったのだが、その話を聞くや否や柳下毅一郎さんの日記によると『歌の翼に』の復刊話が大ピンチに!!おおおこれはいけません!!微力ながら声をあげるよ!! 『歌の翼に』は大傑作。何が素晴らし…

ディッシュ

トマス・M・ディッシュが亡くなった。 単なる気まぐれな熱心ともいえない読者の一人である自分にとっては、その心境などはかることもできない。ただ、最近『アジアの岸辺』の出版などで、難解とされてきた彼の作品にようやく理解できる手がかりが得られそう…