奇想コレクション

『跳躍者の時空』 フリッツ・ライバー

結構歯応えあるよ、これ。 ライバーはその昔サンリオの『バケツ一杯の空気』を読んで「こういうのがオトナの短篇なんだろうなあ」とその巧さに感心したものの、結局あまり読まないままだった。この作家は凄い!と思うようになったのは、「あの飛行船をつかま…

『洋梨形の男』 ジョージ・R・R・マーティン

絶対面白いだろうと期待して読み始めて裏切られないというのは幸福なことだ。6編どれも良く抜群のリーダビリティで、一気に読める。短編好きの自分内では年間ベスト(3?5?)内に確実に入る。特に良かったものに○。「モンキー療法」 ケニーは食べることが大好…

『蒸気駆動の少年』読了

これは翻訳SF史に残る一冊。質、量(!)、作品のヴァラエティ、充実した解説いずれも特筆すべきでSFファン、ミステリファン、ホラーファン、そして何より一般読者に手にして欲しい本だ。これまで熱心なスラデック読者ではなかったため、本書でようやくその…

『蒸気駆動の少年』刊行記念トークショー@立川オリオン書房

というわけで昨日行って参りました立川(ちょっと遠かったな)。 メンバーは京都から(!)の法月綸太郎先生に大森望さん、柳下毅一郎さん。曖昧な記憶を頼りに印象に残った話を以下に。ミステリ方面のアプローチとして特に法月先生の話が興味深かった。 ま…

そうだそうだ

そういえば『蒸気駆動の少年』がもうすぐ出るな! トークショーは遠征するつもり。楽しみ楽しみ。

『ページをめくれば』 ゼナ・ヘンダースン

名前をひらがなに変えました(深い意味はありません)。 ゼナ・ヘンダースンといえば「なんでも箱」だが、初読時にはよくある話でさほど傑作とは思えなかった。その頃は誰に言われたわけでもないが、とんがったものや小難しいものを評価している方が何となく…

『元気なぼくらの元気なおもちゃ』 ウィル・セルフ

「ごっつい野郎のごっつい玩具」ではなかったのですか? ドラッグ作家による悪夢的世界、みたいな帯の文章は半分あたりで半分はずれ。クールな世界観というよりはやるせない、割と人間くさいトホホな世界がイギリスを舞台に繰り広げられている。そのドラッグ+…