海外SF

『赤い惑星への航海』 テリー・ビッスン

赤い惑星への航海 (ハヤカワ文庫SF)著者 : テリー・ビッスン早川書房発売日 : 1995-09ブクログでレビューを見る» 大恐慌でNASAが民間企業に売却され、火星飛行計画は頓挫。そんな中、ハリウッドから有人火星飛行を映画に撮ろうという話が持ち上がる。 ユーモ…

『夢幻諸島から』 クリストファー・プリースト

夢幻諸島から (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)著者 : クリストファー・プリースト早川書房発売日 : 2013-08-09ブクログでレビューを見る» プリーストの作品は訳者に恵まれ、多いとはいえないものの定期的に邦訳が出て、しかも傑作ばかりとあって、今回もいやが…

『第四次元の小説ー幻想数学短編集』三浦朱門訳

第四次元の小説―幻想数学短編集 (地球人ライブラリー)著者 : R・Aハインライン小学館発売日 : 1994-08ブクログでレビューを見る» ユニークな数学SF集。作品の内容についてイラストやテーマについてのエッセイがついているなど、数学解説の要素が多く含まれて…

『地球礁』 R・A・ラファティ

地球礁R.A.ラファティ河出書房新社発売日:2002-09ブクログでレビューを見る» 『第四の館』が面白かったものの、どうも分からない感触があって、本作を再読してみることにした。プーカ人のデュランティ家の人々は地球アレルギーに悩まされていた。地球生まれ…

『ジュリアとバズーカ』 アンナ・カヴァン

『アサイラム・ピース』が発売されて話題となったのが後押しになったのか、突如再刊。早速購入。幸福が失われ世界から見放された孤独感みたいなカヴァン的なモチーフは本書でもほとんどの作品に登場するが、『氷』や『アサイラム・ピース』絶望的でありなが…

『氷』 アンナ・カヴァン

氷 (1985年) (サンリオSF文庫)アンナ・カヴァンサンリオ発売日:1985-02ブクログでレビューを見る»寒冷化し破滅する世界の中、一人の少女を追い続ける主人公。夫に抑圧されている少女を解放しなければならないのだ・・・。(以下結末に少し触れていますので御…

『蛇の卵』 R・A・ラファティ

蛇の卵 (Seishinsha SF Series)R.A.ラファティ青心社発売日:2013-03ブクログでレビューを見る» 超知性を持つ選ばれた12人の子ども達。本物の超級人間「蛇の卵」になるのは誰か?(帯より) この「蛇の卵」世界の敵となる抹殺されなければならない存在。で、こ…

『言語都市』 チャイナ・ミエヴィル

言語都市 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)チャイナ・ミエヴィル早川書房発売日:2013-02-26ブクログでレビューを見る» 遥か未来、人類は惑星アリエカの「嘘をつくことがない」宇宙人とコミュニケートするためクローンを使った<大使>や<直喩>という特有のシ…

『アサイラム・ピース』 アンナ・カヴァン

アサイラム・ピースアンナ・カヴァン国書刊行会発売日:2013-01-22ブクログでレビューを見る» アンナ・カヴァンの小説を読むのは独特な体験である。話の筋というより、小説から立ち上る空気・温度・色といったものが読後感として残るのだ。感じられるのは透…

『シリウス』 オラフ・ステープルドン

シリウス (ハヤカワ文庫 SF 191)オラフ・ステープルドン早川書房発売日:1976-04ブクログでレビューを見る»1944年作の古典的な作品で、科学技術により人間に匹敵する知能を与えられてしまった犬の話。期待以上の面白さだった。人工的に作りだされた生命の苦…

『翼の贈りもの』 R・A・ラファティ

翼の贈りもの (Seishinsha SF Series)R.A.ラファティ青心社発売日:2011-04ブクログでレビューを見る»『昔には帰れない』が出版され一部で盛り上がりをみせているラファティ。積んでいたちょっと前の短篇集を読了。「だれかがくれた翼の贈りもの」 イニシエ…

『青い脂』 ウラジミール・ソローキン

青い脂ウラジーミル・ソローキン河出書房新社発売日:2012-08-23ブクログでレビューを見る» 話題の一冊。 2068年、雪に埋もれた東シベリアの遺伝子研究所。トスルトイ4号、ドストエフスキー2号、ナボコフ7号など、7対の文学クローンが作品を執筆したのち体内…

『ステンレス・スチール・ラット』 ハリイ・ハリスン

ステンレス・スチール・ラット (1978年) (サンリオSF文庫)ハリイ・ハリスンサンリオ発売日:1978-10ブクログでレビューを見る» 遠未来の管理社会化された銀河系で法の網目をかいくぐって暗躍していた‘鼠小僧’<するりのジム>。ついには元犯罪者からなる<特…

R.I.P. Ray Bradbury

レイ・ブラッドベリ逝去。享年91歳。 ブラッドベリは実はまだあまり読んでいない。名文家として名高いことと難解さが少ないイメージからなるべく原書で読もうとしているからでもある。(リンク先に挙げられているThe Martian ChroniclesとFahrenheit 451はい…

『ハルシオン・ローレライ <宇宙飛行士グレンジャーの冒険>』 ブライアン・M・ステイブルフォード

ハルシオン・ローレライ (1980年) (サンリオSF文庫―宇宙飛行士グレンジャーの冒険)ブライアン・M.ステイブルフォードサンリオ発売日:1980-04ブクログでレビューを見る» ちょっと斜に構えた宇宙飛行士が遭難し九死に一生を得たものの借金から危険な宝探しを…

『天のろくろ』 アーシュラ・K・ル=グウィン

天のろくろ (fukkan.com)アーシュラ・K.ル=グウィンブッキング発売日:2006-04-01ブクログでレビューを見る» 気弱な青年オアが見る夢には現実を変える力があった。精神的に不安定な彼の治療に当たるヘイバー博士はその能力を利用しようと画策する。オアに同…

『第六ポンプ』 パオロ・バチガルピ

第六ポンプ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) パオロ・バチガルピ 早川書房 発売日:2012-02-09 ブクログでレビューを見る» 海外SF話題の新鋭バチガルピの第一短篇集。暗い世界観と秀逸なアイディアに独特の熱さが加わり非常に個性的で今年の重要作といえそう。…

‘Deathbird Stories’ Harlan Ellison

はてどれくらいかかっただろうか。いや大体大部分の作品が理解出来ず・・・orzということで元々個人用読書ブログなわけだが洋書となるとますます備忘録仕様。1975年の短篇集。‘Intoroduction: Oblations at Alien Altars’ もうとにかく前書きから熱いクドい…

『334』 トマス・M・ディッシュ

再読。8年前に読んだ時はさっぱり分からなかったが、今回は凄い作品だとようやく気づいた。ひと言で言えば「大人のSF」。閉塞された未来社会において日常の小さい悩みや怒りや寂しさに耐えながらわびしく生きる人間の切ない姿が、周到な構成と豊富で斬新なア…

『ねじまき少女』 パオロ・バチガルピ

話題の若手SF作家の第一長編。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞第一長編部門、ジョン・W・キャンベル賞と4つも賞を取っている話題作。なかなかユニークな作家・作品である。 環境は破壊、石油は枯渇、海面上昇で世界各国の沿岸都市は消失した近未来。…

『リアル・スティール』 リチャード・マシスン

リアル・スティール (ハヤカワ文庫NV)リチャード・マシスン早川書房発売日:2011-10-14ブクログでレビューを見る»ぼくらのマシスンの短篇集がまたやってきた!ということなんだけどわりとこれ変化球。「リアル・スティール」 再読。『運命のボタン』では「四…

『プランク・ダイヴ』 グレッグ・イーガン

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)グレッグ・イーガン早川書房発売日:2011-09-22ブクログでレビューを見る»やっぱりイーガンは最高だった!現代SFの極北、恐るべき存在であることを再確認。「クリスタルの夜」 人工知能を育成する話でSFマガジンで読んだとき…

『光のロボット』 バリントン・J・ベイリー

光のロボット (創元SF文庫)バリントン・J. ベイリー東京創元社発売日:1993-11ブクログでレビューを見る» 『ロボットの魂』に続くさすらいのロボット<ジャスペロダス>を主人公とした作品。 ロボット技術が発達しているものの戦乱が続く不安定な未来社会。…

『奇跡なす者たち』 ジャック・ヴァンス

奇跡なす者たち (未来の文学)ジャック・ヴァンス国書刊行会発売日:2011-09-26ブクログでレビューを見る» 異世界構築のマエストロ、待望の傑作選(本邦初!)の登場である。もちろん最高の一冊である。「フィルスクの陶匠」 惑星フィルスクには見事な陶磁器を…

『ライト』 M・ジョン・ハリスン

ライトM.ジョン ハリスン国書刊行会発売日:2008-09ブクログでレビューを見る» 本国での評価と日本での評価にずれがある人には興味をそそられる。日本ではニューウェーヴSF作家としてサンリオで『パステル都市』が紹介されたきりだったが、本国の英国さらに…

『アインシュタイン交点』 サミュエル・R・ディレイニー

アインシュタイン交点 (ハヤカワ文庫SF)サミュエル・R. ディレイニー早川書房発売日:1996-06ブクログでレビューを見る» 再読。遠未来の地球、文明の退行した世界の中、主人公たちは穏やかに暮らしていたが・・・。 1996年に邦訳され(1967年作)たが、実際に…

『クリプトノミコン4 データヘブン』ニール・スティーブンスン

クリプトノミコン〈4〉データヘブン (ハヤカワ文庫SF)ニール スティーヴンスン早川書房発売日:2002-07ブクログでレビューを見る»読了しこれで完結。期待以上に盛り上がってくれた最終巻だった。主要登場人物が(ほぼ)一堂に会し、張り巡らされた伏線はきっち…

『クリプトノミコン3 アレトゥサ』ニール・スティーヴンスン

クリプトノミコン〈3〉アレトゥサ (ハヤカワ文庫SF)ニール スティーヴンスン早川書房発売日:2002-06ブクログでレビューを見る» 話としては2の続きという感じ以上の感想はない。やはり第二次大戦パートの方が緊迫していて、どうも現代パートの方は盛り上がり…

『クリプトノミコン2 エニグマ』ニール・スティーヴンスン

クリプトノミコン〈2〉エニグマ (ハヤカワ文庫SF)ニール スティーヴンスン早川書房発売日:2002-05ブクログでレビューを見る» 暗号解読小説2巻目。第二次大戦パートと現代パートが並ぶパターンは同じ。戦況がいっそう厳しくなった大戦パートでの主人公たちの…

『クリプトノミコン1 チューリング』 ニール・スティーヴンスン

クリプトノミコン〈1〉チューリング (ハヤカワ文庫SF)ニール スティーヴンスン早川書房発売日:2002-04ブクログでレビューを見る» 全4巻の1冊目。 暗号解読をテーマに第二次大戦中と現代の話が平行されて語られる。大戦中の方はさらにアラン・チューリング…