海外SF

‘The City & The City’ China Mieville

The City and the CityChina MievillePan Books発売日:2010-01-01ブクログでレビューを見る»追記 以下ネタに触れてるので一部色を変えます。→ 予備知識少なめで挑戦したが撃沈。というわけで洋書で困ったときはめっちゃ頼りになる(いろんな名前を持っている…

『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード

エンダーのゲーム (ハヤカワ文庫 SF (746))オースン・スコット・カード,野口 幸夫,Orson Scott Card早川書房発売日:1987-11ブクログでレビューを見る»宇宙からの侵略者を撃退すべく、地球では子どもたちの中から優秀な司令官を育成するプロジェクトが行われ…

『バッキンガムの光芒 ファージング?』 ジョー・ウォルトン

さてファージング最終巻。 今回の舞台は1960年。相変わらず抑圧されたイギリス。主人公カーマイケルは監視隊(イギリス版ゲシュタポ)の隊長になっている。もう一人の主人公はそのカーマイケルが後見人になっている18歳の娘エルヴィラ(なんとカーマイケルがお…

『時の娘』ロマンティック時間SF傑作選

中村融さんのアンソロジー。すぐ購入したのだがちょっと遅れて読了。 ロマンティック時間SFっていうと梶尾真治「美亜へ贈る真珠」とか映画「タイムアフタータイム」とかの印象かなあ。確かにそういった甘酸っぱい青春ものの香りがする作品もあるが、技巧的だ…

『暗殺のハムレット ファージング?』 ジョー・ウォルトン

ごぶさたです(笑)。 忙しくてなかなか更新出来ないのだが、とにかくこのファージングは面白い!そろそろ出る?が楽しみ。長尺ものを刊行のペースに合わせて読むなんて自分じゃ珍しいよ。 ナチスドイツとの講和を成し遂げた政治集団ファージング・セットに支配…

『英雄たちの朝 ファージング?』 ジョー・ウォルトン

噂を耳にして購入。現在忙しくてなかなか読書がはかどらずまたちょっとでも長いものはそれだけで苦手なのだが、さすがにこれは面白そうなので読むことにした。1941年ナチスドイツとイギリスが講和条約を結んだ世界を舞台にしたという歴史改変本格ミステリ三…

Kij Johnson `Spar'を読んでみた

いつも最新の洋書情報を提供して頂いているここやこちらで話題になっていて、オンラインで公開されていたので、とにかく読んでみた。 いきなり冒頭から<宇宙船内で彼女とエイリアンがファックし続けている>描写から始まる衝撃的な作品である。乏しい英語力…

『空洞地球』 ルーディ・ラッカー

さて久々に(10年ぶりぐらい?)奇想ハードSF作家ラッカーを読んでみた。 舞台は1830年代のアメリカ・ヴァージニア州。主人公の文学少年メイスン・レナルズは15歳になり奴隷と共に初めて旅に出るが、早々にお金を騙し取られてしまう。何とか取り戻そうと焦る中…

「わが名はジョー」とアバター

elekingさんに教わった映画アバターの元ネタ、ポール・アンダースン「わが名はジョー」収録のアンソロジー『スペースマン』を持っていたので読んでみた(結構元ネタに気づいていた人も多いみたいだな)。この『スペースマン』読んでいたつもりだったが、どう…

『軍犬と世界の痛み』 マイクル・ムアコック

Thornさん(orionaveugleさん)のtwitterの書き込みを見て、積読の本書を思い出し、読み始めたら止まらない止まらない。これまで読んだ中では一番面白かったムアコック作品。 あらすじについては石堂藍氏の解説が非常に親切。おおざっぱな引用(に多少追加)…

『放浪惑星』 フリッツ・ライバー

さて新年一発目は年末から読んでいた、これ。思っていたより読みにくく、正直走り読みしてしまった。 突然月の近くに謎の惑星<放浪者>が出現。その星により月が破壊され、地球では地震や高潮が起こり世界は大混乱。そして<放浪者>の宇宙人にアブダクショ…

『泰平ヨンの航星日記 改訳版』

さてさて遅ればせながら読了。これも『回想記』と同じ様に短篇集なんだな。というわけでノリは『回想記』とあまり変わらない。以下、感想(○が特に面白かったもの)。・序文など 本編まで4つも続く(序文、第三版への序論、増補改訂版への序文、資料に関する…

『砂漠の惑星』 スタニスワフ・レム

6年前に消息をたった宇宙巡洋艦コンドル号捜索のため<砂漠の惑星>に降り立った無敵号が発見したのは、無残に傾きそそりたつ変わり果てた船体だった。(裏表紙の紹介より) 久々にバリバリのハードSFを読んだという感じ。レムはユーモアものとシリアスも…

『デューン 砂漠の救世主』 フランク・ハーバート

ポウルが権力を握り恒星間帝国の玉座に着いて12年―いまべネ・ゲセリット結社、宇宙教会、べネ・トライラックスの顔の踊り手(フェイス・ダンサー)たち旧勢力は糾合してムアドディブ皇帝に対する陰謀をたくらみ、アラキスの宮廷めざしひそかにその恐るべき策…

『杜松の時』 ケイト・ウィルヘルム

かの殊能将之の『樒/榁』でも引用された作品(という紹介はどうかしらん)。 旱魃による食糧危機が迫る終末的な世界の中で、宇宙飛行士ダニエル・ブライトンとクルーニー大佐は宇宙事業における盟友であったが、宇宙ステーションの事故でダニエルは死亡してし…

『洋梨形の男』 ジョージ・R・R・マーティン

絶対面白いだろうと期待して読み始めて裏切られないというのは幸福なことだ。6編どれも良く抜群のリーダビリティで、一気に読める。短編好きの自分内では年間ベスト(3?5?)内に確実に入る。特に良かったものに○。「モンキー療法」 ケニーは食べることが大好…

『クルーイストン実験』 ケイト・ウイルヘルム

先日ル・グィンを読んだが、フェミニズムSFといえば他にケイト・ウイルヘルムを思い出す。というわけで、これまでほとんど読んだことがなくて(アンソロジーの短編ぐらい)積読していたウイルヘルムを初読気味でトライ。いやー面白かったですよ。高い評価を得…

『風の十二方位』 アーシュラ・K・ル・グィン

ル・グィンも興味がありながらまだ数冊しか読んでいない作家である。きちんとは思い出せないが『闇の左手』は面白かったように思う。本書は当ブログ主がSFを読み始めたころから世評が高かった。で、のんびり読む機会を探っていたら四半世紀が過ぎてしまっ…

『泰平ヨンの回想記』 スタニスワフ・レム

ベイリーのロボットものを読んだらレムのユーモアものを読みたくなって積読本に手を出した。これはたしか出先(広島だったと思う)の古書店でレムの文庫が安く並んでいたので何冊かまとめて買ったんだな。10年くらい前かな。 閑話休題。泰平ヨン、初めて読んだ…

『アッチェレランド』 チャールズ・ストロス

新しい海外SFも日本SFに輪をかけて読んでいない(海外もので読んでいるのは基本古いものばかりだ)。でもチャールズ・ストロスはSFマガジンの中編を読んだ記憶があるし、コミカルな部分は興味をひかれる存在だ。で、評判がよいので流行りものに弱い当ブログ主…

『エンジン・サマー』 ジョン・クロウリー

機械文明が崩壊したはるか未来の地球。はっきりとした歴史が記されていない中、人々は過去の文明が残していった事物を元に新たに独自の文化を形成していた。思春期を迎えた主人公の少年<しゃべる灯心草>は魅惑的な少女<ワンス・ア・デイ>に思いを寄せ、…

『金剛石のレンズ』 フィッツ=ジェイムズ・オブライエン

知る人ぞ知る名短編集の復刊である。とはいえ、再刊されるまで本書のことはあまりよく知らず、19世紀中頃の早世した作家であることも今回初めて知った。特に古い小説の読書経験値が乏しい当ブログ主には、19世紀というと以前読んだ『ディケンズ短編集』ぐら…

『スローターハウス5』 カート・ヴォネガット・ジュニア

「大量殺戮を語る理性的な言葉など何ひとつない」 前書きにあたる第一章での著者の言葉である。1945年2月に行われた連合軍によるドレスデンへの空爆の犠牲者は3万とも15万ともいわれる。その体験を何とか書きたいと思っていた作者だが、結局23年もかかる。そ…

『デューン 砂の惑星』 フランク・ハーバート

長尺のシリーズである。休みを利用してとりあえず「砂の惑星」?〜?を読んだ。 舞台は全体が砂に覆われた死の惑星アラキス。しかしその一方で老人病に効くメランジという香料の宝庫でもある。また砂漠には時に四百メートル以上にもなるというシャイ・フルドと…

『緑の星のオデッセイ』 フィリップ・ホセ・ファーマー

フィリップ・ホセ・ファーマーの長編を初めて読んだ。 遠い未来の銀河系で、地球人(と地球外人とその混血)は生存可能な星に散らばって住んでいるが、宇宙旅行可能だった技術は忘却の彼方でどこの文明も退化した状態。そんな中宇宙船の事故にあった、主人公で…

『地球の静止する日』(角川文庫版)

創元文庫版と同名異本ということになる。ややこしいことに、映像化されたSF作品のアンソロジーでレアなものを収めたという意味ではどちらも同じ様な企画。で、本書の方は最近リメイクの企画が立ち上がったものを集めたとのこと。さらに解説によると、この本…

『新しい太陽のウールス』 ジーン・ウルフ

ひとまず読了。ファンサーヴィスの側面が強いという続編だけに、アクションシーン多めの主要登場人物(ほぼ?)総出演の全体的に明るいタッチの作品という印象。ただそこはそれ、一筋縄ではいかないんだよなあ。正直これを読んでも視界が開けたような感じはさ…

<新しい太陽の書>?独裁者の城塞

なんとか刊行ペースに追いついたな。解決編ということでこれまでの謎が一気に解明される、っていってもそこはウルフ、普通にわかりやすくは書いていないので残念ながら全然すっきりしなかったのです・・・。大体この本を読んだことがあるはずなのだがまたま…

これは!

悪漢と密偵さんのところで、うれしいニュースを知る。『宇宙飛行士ピルクス物語』が文庫版で復活とはね。つい数日前に図書館で『遥かな世界 果てしなき海』に収録の「パトロール」を読んで、もっとピルクスものを読みたくなってたんだよね。絶対買うぞ!問題…

<新しい太陽の書>?警士の剣

話としては(いつもの)女難あり、子連れ狼あり、怪物の襲撃あり、ラストの大アクションありで起伏に富んでるかな(でもこれまでの巻だって色々あったか・・・)。それでもところどころよく分からないところがやっぱり多くて・・・。まあとにかく『新しい太陽の…