SFノンフィクション、その他SF関連

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第八回ジョージ・ルーカス

最終回はルーカス。もちろんスター・ウォーズ(特にエピソード4〜6)の話が中心。ちょっと悪い予想が当たってしまった回。 本人の伝記的なエピソードとしてはスター・ウォーズの映画企画がなかなか通らなかった話や交通事故の話などが登場するくらいで割と少な…

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第七回ロバート・A・ハインライン

気を取り直して今回はハインライン。 ヴェルヌ・アシモフ・クラークといった皮肉めいたところのない大御所に比べハインラインには「危うさ」あり、その著作には20世紀初頭のアメリカでの不況やヨーロッパでのファシズムの台頭といった社会の影が反映されてい…

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第六回は逃してしまいました・・・

第六回ジュール・ヴェルヌは逃してしまいました・・・・orz。 ちなみにリピート放送の日も録画できないので感想はありません、悪しからず。

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第五回アイザック・アシモフ

第五回、アシモフ。 アシモフもクラーク同様に科学技術に対する優れた洞察力を持っていた作家なので、フィクションにおいての予見ぶりと実際の現在の技術との対応についてが内容的に強く結びついているテーマ的に分かりやすい回である。 科学技術が飛躍的に…

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第四回アーサー・C・クラーク

第四回はクラーク。 クラークについては実際の科学技術を的確に予言、というよりも卓越したアイディアで現実に影響を及ぼすほどの人だったので内容的にこのシリーズでは最も作品と現実が密接に結びついている回。(自伝や伝記をまだ読んでいおらず、番組を追…

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第三回H・G・ウェルズ

第三回目。時代からするとウェルズの方がディックより早いわけだが、時代的な順番はあえてシャッフルしてるんだろうな。 ヴィクトリア時代の生まれながら100年先の世界を予見していたウェルズ。科学技術の正負の面をグローバルにとらえる類稀なパースペクテ…

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第二回フィリップ・K・ディック

ディスカバリーチャンネルの<SF界の巨匠たち>第二回はディック! 例によって、作家の生涯と作品と現代科学の話が重ねられる構成。ディックは作品が多いので映画化作品を中心に展開。ディックの生涯については、生後6週間で亡くなってしまった双子の妹の影…

ディスカバリーチャンネル<SF界の巨匠たち>第一回メアリー・シェリー

ディスカバリーチャンネルで6月に放送されている5回シリーズの番組。ホストはリドリー・スコット。日本のホームページはここだが、大元のはこっちかな。現代はProphets of Science Fictionで‘預言者’ということになるかな。Wikiによると本来は8回シリーズの…

メフィスト「追悼 殊能将之さん」を読んで

異能ミステリ作家殊能将之氏が2月11日に亡くなられていた。享年49歳。 ウェブ上のアーカイブで日記などを読み返している。音楽、アート、小説、料理などなど多岐に渡る上に深い知識と鋭い分析をキレのいい辛辣かつユーモアあふれる文章でつづられ時の経つの…

『サイバネティックSFの誕生―ギリシャ神話から人工知能まで』 パトリシア・S・ウォリック

サイバネティックSFの誕生―ギリシャ神話から人工知能までパトリシア・S.ウォリックジャストシステム発売日:1995-12ブクログでレビューを見る» 長くSFを読んでいるとサイバネティックあるいはサイバネティックスという言葉はよく目にする。サイボーグとかサ…

ベストSF2012投票

森下先生の「惑星ダルの日常」ベストSF2012に以下の様な内容で今年も投票。本来は5作5点で投票可能なんだけど、読書量が減少傾向の上にSFの割合もいつも多いとはいえなくなってきてるから控えめに。今後はこういった投票パターンになりそうだな。「『屍者の…

『SF文学』 ジャック・ポドゥ

SF文学 (文庫クセジュ)ジャック・ボドゥ白水社発売日:2011-02-18ブクログでレビューを見る»フランスの文学研究家によるSF史紹介本。海外SFファンとしては手堅くコンパクトにまとまったハンドブックでかつ仏流ということで登場する作品がやや毛色が異なって…

『乱視読者のSF講義』 若島正

乱視読者のSF講義 若島正 国書刊行会 発売日:2011-11-24 ブクログでレビューを見る» 現在日本で最も優れたSF読みの一人である若島正先生の評論集。もちろん素晴らしい一冊である。 全体は三つのパートから成り、1.SFマガジンで連載され一回一短篇を扱う…

『ハーモニー』フィリップ・K・ディック賞の審査員特別賞を受賞

伊藤計劃『ハーモニー』の英訳がフィリップ・K・ディック賞の審査員特別賞を受賞。 素晴らしい。そしてあの傑作がこれを機会により幅広い世界にはばたいていく可能性が高くなったことを喜びたい。 アニメや漫画が注目を集めているとはいえ、日本のSFを本格…

『二十世紀から出てきたところだけれども、なんだか似たような気分』 鏡明

二十世紀から出てきたところだけれども、なんだか似たような気分鏡 明本の雑誌社発売日:2010-03-15ブクログでレビューを見る» なんと30年以上も続いている本の雑誌のコラム。 SF作家・評論家として有名だが、本業が広告ディレクター(のえらいひと)だと知っ…

ゼロ年代SF100と私的ベスト

大森望さんによるゼロ年代SF100選。SFファンとしてはついつい数えちゃうもの。こちらがゼロ年代SFチェッカー。 日本19翻訳28だった。 アンソロジーを除いてベスト5選んじゃうか(選ぶにはちょっと読了比率が低いけどねー)。 日本 1.ハーモニー(伊藤計劃) 2.…

『人生の奇跡』 J・G・バラード

昨年亡くなったバラードの待望の自伝が出た。早速購入して読了。 自伝的小説『太陽の帝国』でも描かれているように、彼の作品世界は少年時代の第二次大戦前後の上海租界の風景にある。疫病・貧困・戦乱によりあらゆるところに死が蔓延した光景、暴力的な日本…

『ぼくらが夢見た未来都市』 五十嵐太郎/磯達雄

twitterで@yamagimaさんとelekingさんのオススメに従い購入。 読んで驚く。これってそのまんまSF論の本じゃないか! 未来都市のイメージは意外に昔と変わっていない。上海万博でも相変わらず「超高層建築群と、その周りを高架式の列車やエアカーなどの新都市…

浅倉久志先生

日本に海外SFを紹介してきた浅倉久志先生が亡くなられた(訃報が続くなあ・・・)。 読みやすくいつまでも若々しい翻訳で数限りない名作を紹介してくれた大恩人である(遠巻きにお顔を見たことぐらいしかないけど)。浅倉先生がいなかったら翻訳SF、翻訳小説…

BEST−SF2009

毎年恒例、森下一仁先生の惑星ダルの日常・BEST-SF2009投票に参加。1.バレエ・メカニック 津原泰水 2点2.あなたのための物語 長谷敏司 1点3.壊れやすいもの ニール・ゲイマン 1点4.フロム・ヘル アラン・ムーア&エディ・キャンベル 1点 このベストのいいと…

‘The Dreams Our Stuff Is Made Of’

もう正月デザインにしてしまった。 で、今年最後はすげー時間かかったけど(1年以上)何とか最後まで眼を通しましたこの本。前半の内容は忘却のかなたですけどね!まあ内容を把握できてない自分がいうのもなんですが、現代SFを俯瞰するのに避けて通れない…

『メアリ・シェリーとフランケンシュタイン』 モネット・ヴァカン

樺山三英「One Pieces」(『超弦領域』)についていた作者のコメントで言及されていた本。そういえば持ってたなあということで、メアリ・シェリーをめぐる複雑な人間関係を知るために読み始めたが、なんやかんやで随分時間がかかってしまった。 メアリ・シェ…

SFオールタイムベスト100@SF本の雑誌

やっぱりSFファンなので「SF本の雑誌」は購入。そのSFオールタイムベスト100の話。横並びのSF百選のような形式ではなく作品の順位をつける方が盛り上がるが、それには多くの人が投票して得票数を物差しにするというのが公平なはず。ただそうして選ばれるベス…

日本SF大賞

第28回の日本SF大賞は最相葉月さんの『星新一 一〇〇一話をつくった人』に決まったらしい。映像含めたいろいろな形態の作品が対象になるというのが日本SF大賞の特徴なので、久しぶりのSF関係ノンフィクションの労作であり、結局今回の候補の中では最もおさま…

『星新一 一〇〇一話をつくった人』 最相葉月

無茶苦茶面白いノンフィクションだ。一気読み。 大正時代には武田薬品、田辺製薬と並んで御三家と呼ばれたこともある星製薬を立ち上げた精力的なアイディアマンの父、星一の話。その会社が傾き、襲いかかる様々な難題に直面し、人間不信に陥った‘親一’が、‘…

『ぼくがカンガルーに出会ったころ』 浅倉久志

SF翻訳界の大御所の初エッセイ集である。訳文をどうとか評価できる能力はないので、あくまでも印象だけだが浅倉先生というとなんとなく‘軽妙洒脱’という言葉が思い浮かぶ。ヘヴィな傑作や感動の名作も数々紹介されているが、決して物々しく押し付けがまし…