ヒューゴー賞にチャレンジ

わーるどこんに参加することにしたのです。
普段はSFマガジンの短編はつまみ読みしかしていないが、今回はワールドコン特集でノヴェレット、ショート・ストーリーの候補作が読めるので、二度とない機会と思い、とりあえずノヴェレット、ショート・ストーリー候補作を読み、三本観ていた長編映像部門も合わせて投票した。オールドファンとしてはこんな日が来るとは思わなかった。皆様(ってまとめすぎか?)のおかげと感謝をしております。番号が順位。

◎ノヴェレット部門
 アジアが舞台のものが三作もあるのは偶然?必然?。

1.“Pol Pot's Beautiful Daughter (Fantasy)” by Geoff Ryman
(「ポル・ポトの美しい娘(ファンタジイ)」ジェフ・ライマンSFM8月号)
 これはカンボジア。デリケートなネタを見事に処理。フィクションの強みを生かしている。

2.“The Djinn's Wife”by Ian McDonald (「ジンの花嫁」イアン・マクドナルドSFM8月号)
 これはインド。いわゆるAIものだが、多彩なアイディアとリーダビリティの高さはさすが。

3.“Yellow Card Man”by Paolo Bacigalupi (「イエローカードマン」パオロ・バチガルピ SFM8月号)
 これはタイ。一度聞いたら忘れられない名前である。ディストピアもの。暗さは良く出ているかな。

4.“Dawn, and Sunset, and the Colours of the Earth”by Michael F. Flynn
(マイクル・F・フリン「夜明け、夕焼け、大地の色」SFM7月号)
 解説でも言及されているように、いわゆる9・11(+タイタニック?)を意識したような、インタビュー形式で大型客船の失踪の真相を徐々に明かす話。よく書けているがふつう。

5.“All the Things You Are”by Mike Resnick(マイク・レズニック「きみのすべてを」SFM7月号)
 この人もベテランなんで巧いことは巧いが、いかんせん基本アイディアがいくらなんでも直球過ぎ。

◎ショート・ストーリー部門

1.“How to Talk to Girls at Parties”by Neil Gaiman(「パーティで女の子に話しかけるにはニール・ゲイマンSFM 8月号)
 時代背景と舞台がツボ。

2.“The House Beyond Your Sky”by Benjamin Rosenbaum(「あなたの空の彼方の家」ベンジャミン・ローゼンバウム SFM8月号)
 仮想空間ものか?スケールのでかい話。スプロールフィクション系の人だというイメージがあったのでちょっと意外。

3.“Eight Episodes”by Robert Reed(「八つのエピソード」ロバート・リードSFM7月号)
 テレビSF番組の批評から話が始まるというのは結構楽しいと思ったよ。

4.“Kin”by Bruce McAllister(「同類」ブルース・マカリスターSFM 7月号)
 うーん人間と同じように考えるエイリアンを出すのならひとひねり欲しいんだよなあ。

5.“Impossible Dreams”by Tim Pratt (「見果てぬ夢」ティム・プラット SFM7月号)
 街角の不思議なビデオ・ショップには幻の作品が何故か沢山あって・・・。という話なのだが、これはいけません。映画を深く愛する方も嘆いておられる(投票方法などよく分かりました。この場を借りて感謝いたします。>添野知生さま)。どういう話かというと(以下ネタばれ)

 「撮られなかった映画なんか忘れて、女の子と恋をしようよ!」

 
という話なのである。
 もちろん今回読んだ10編の中でも最下位!!


◎長篇映像部門
  やっぱりトゥモロー・ワールド(この邦題はちょっと残念)の映像表現はちょっと意表をつかれた。いや他の二作も原作への敬意が感じられ、SFファンとして嬉しかったですけど。

1. Children of Men トゥモロー・ワールド
2. A Scanner Darkly スキャナー・ダークリー
3. The Prestige  プレステージ