ワールドコン極私的まとめ その2

  週末になり、ワールドコンもいよいよ本格的に参加可能になったぞ!というところだが念願のニューウェーヴ企画が早くも終了し、いきなり迷いが生じた結果、せっかくのワールドコンだからということで、英語ネイティヴ企画に乗り込んでいっては玉砕をするという愚行を繰り返していた土曜日。ま、一応ワールドコンだからということで。ただそんなほとんどネイティブしかいない、しかもあまり日本と関係あるとも思えない企画で、グラニア・デイヴィスさんが矢野徹氏の「折り紙宇宙船の伝説」を絶賛しているところを見られたのは収穫。本当にお好きなのだろう(もちろんご自分の編んだアンソロジーを読んで!といったところもあるのだろうけど)。
 さあそんな中で、‘星新一とは何者だったのか’‘サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!’の第一部(そのまた一部)をみて、テルミンを覗きつつ、ヒューゴー賞授賞式へといったコースをたどった。以下またまた断片的なまとめ(実際断片的にしかみてないし)。
 

  星新一とは何者だったのか’ これも盛況。星/新井の師弟関係を軸に話しは進む、人類や小説にに鋭い目を向けるストイックさの一方、後進を育てようとする温かさにもあふれる姿は本当にパイオニアにふさわしい。といっても『星新一 一〇〇一話をつくった人』は まだ読んでない・・・。ということでまたエピソードの羅列で逃げる。
  ・「グリーン車の子供」(戸坂康二)への厳しい批評がある(その辺は解説に触れられていた)。
  ・可愛いものや小さいものが好きで、クマのぬいぐるみも好き。
  ・アメリカの教科書に「おーいでてこーい」の翻訳が載っている。現代の寓話として紹介されている。

 ‘サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!’の第一部(そのまた一部) ロボットの話。基本的に、インプット(外の環境)を消化してアウトプット(行動)を出す、といった流れで、インプットに付随する身体性は不可避の問題であるという話だったと思う。つまりインプットを受け取る人間の体の形態や能力を無視して、アウトプットを起こすロボットや機械の創造は無理なのよ、という話(と思ったが詳しい人は笑わないでくださいね)。各科学者のプレゼンテーションが見事で圧倒される。いずれもマッドサイエンティストの名に恥じないユニークぶり(これ賛辞でございます)。特に阪大の前田太郎先生はユーモア・SFネタ満載で抱腹絶倒。<偽の>インプットで体をだまして指令を出させるというのは面白い。そんなプレゼンの連続後に「皆プレゼンテーションが上手ですねえ。プレゼンテーションが上手い業界はお金に困ってるんですよねえ」といったのは堀晃先生。まあ事実のようですが、タイミングが絶妙すぎ。

 ‘テルミンを奏でよう’ で、テルミンにふらふらっと。どうも最初に音程をとれるようになるのが大変らしい。これを見たおかげで、翌日とんでもないことに気づくのだった!
(以下次号) ところで、テルミンに興じる新井素子さんという実にSF大会らしい光景を目にした。

 ‘ヒューゴー賞授賞式’ この日のメインかな。ちなみにちなみに壇上はこんな感じ。。
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司会はスタートレックでおなじみジョージ・タケイさんと大森望さん。
オープニングアトラクションはウルトラマン
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ナレーションに、ヒーローがいなくなった現代というスタンスが反映されているのが現代的。英訳がなかったのは分からない方々には残念だったのでは。
そしてある賞ではプレゼンテイターもウルトラマン
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だけどしゃべれない、といったベタなネタも少々。
今年のヒューゴー賞ウルトラマンづくしであった!
トロフィーは基本のロケットシップ型を維持した上で、台座だけを変えるというやり方らしい。で、今回はこれ。お見事!海洋堂デザイン。でも、台座だけのはずが随分と・・・。
それにしても海外の方のスピーチは上手いです。受賞作では以前ダンゼン最下位としたティム・プラットが受賞しちゃったなあ。いろいろうまく行かなかったところもあったようだが、本場のヒューゴー賞を体験できたのは永年のSFファンとして感慨深いものがある。司会のお二人とスタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。