SFマガジン読者賞

 今年のSFマガジン読者賞で投票した伊藤計劃The indifference engine」が国内第一位、ミハイル・ヴェレル「パリに行きたい」が海外第四位になった。数年ぶりの投票だが、めでたいめでたい。
 前者は『虐殺器官』と地続きの戦争がテーマになった作品で、こちらはアフリカの内戦が舞台。短編と長編を比較するのはナンセンスだが、むしろこちらの方が凄いのではと思うぐらいの傑作。
 後者はソ連で永年パリへの憧れが募り続けていた男の話。終盤の展開がもう想像を超えていてヤラれた。いやあ異色作家短篇集好きにはたまらない風味である。訳者の大野典宏さんが喜んでおられるので嬉しくなりトラックバック