春の鎌倉文学散歩

 昨日の大雨から一転快晴となったので、散歩へ出かけた。今日は鎌倉文学館の企画展<田村隆一〜詩人の航海日誌〜>を見てきた。

Photo 全然関係ないけど散歩中に家の軒下のツバメの巣を発見。ひなも結構成長して大きい。














Photo_2 散歩するとつい寄ってしまう御霊神社。さすがにアジサイはまだの様子。














Photo_3時計草の花が咲いていた。最近読んだ澁澤龍彦フローラ逍遙 』によるとヨーロッパでは「キリスト受難の花」らしい。同書に書かれているようにキリストの磔といったような象徴探しの作業には、何はともあれ東西の想像力の質の違いを感じざるを得ない。











Photo_4 元は前田利家の系譜である旧前田公爵家の別邸であった鎌倉文学館
三島由紀夫の『春の海』にその別邸がモデルとなったシーンがあるのは有名。
晴天下緑に青い屋根が映えて素晴らしい。














Photo_7 本日はバラまつりの最終日。天気もよいのでにぎわっていた。














Photo_8 庭から見た海も美しい。











さて詩はほとんど読んだことがないので、詩人といわれてもなあといった感じだったのだが、クリスティやダールの訳者で早川書房にも勤めていたということなので田村隆一意外と近いところにいらしたお方なのであった(『チャーリーとチョコレート工場』もそうだ)。というわけで事前に読んだ『詩人のノート』、自作他作織り交ぜた詩を冒頭に置いて短めのエッセイが並んでいるという形式で身構えずに楽しめた。<トテモ酔っ払い>な素顔を漂わせながら英文学の影響と落語好きが合わさったようなリズム感とユーモアが心地よい(インド旅行でロッジに泊まった際、各国人が食堂に勢ぞろいしたのを見て「クリスティのミステリみたい」と想像を巡らせるところがミステリ訳者らしくて笑える)。またこの人はダンディの人としても知られているようで、実際幼少の頃からどの写真もキマっている(何度も結婚している)。ユーモアの裏に見える鋭く乾いた眼差しがこの人の魅力なのかもしれない。




Photo_9 次に近くにある吉屋信子記念館へ。この人は大正・昭和と少女小説歴史小説で活躍した人。渋い和風建築だなあ。














Photo_10庭が立派です。一般公開日が限定されているのでご注意を。











この後、鎌倉駅の方へ足を延ばし小さいめの神社仏閣を散策。疲れたー。