『限りなき夏』瀬名秀明評

　鎌倉は一日中霧の中でした。

　まだ読み途中の『限りなき夏』だが、朝日新聞に瀬名秀明の評が載っていてなかなか面白い(追記　asahi.comで読めます)。基本的に高評価の一方で長編への点数が辛いのはファンとしてはちょっと残念だが、長編と短編でのテイストの違いがあるというのは確かにその通りかもしれないと思った(追記：日本版の序文で短編を書く難しさについて触れている)。語りの幻惑を徹底的に推し進める様な長編に比べると、比較的トラディショナルなアイディアＳＦを基礎としてイメージの膨らみを演出するようなものが多い短編は、プリースト自身が意図しているかはわからないものの、印象は異なる(追記：アイディアＳＦとは限定しすぎだな。より幅の広い短編集だから、「比較的伝統的なつくりの短編」ぐらいな感じかな)。あと評中で、飛行機の描写が好きという箇所は、TORNADE BASE‘answer songs’の「鶫と鷚(つぐみとひばり)」が同じ飛行をテーマにしているだけに興味深い。とりあえず『限りなき夏』を早く読了せねば。