映画‘スター・トレック’

 観ようかどうしようか迷っていたのだが、SFマニアではない友人にすすめられたので観てきた。予想以上に面白かった。SFマガジン7月号の監督(J・J・エイブラムス)インタビューによるとシリーズ化の構想もあるみたいだから、また観ちゃうだろうなあ。
 スター・トレックについては、今やあまりに大きなシリーズになっていて、以前書いたように当ブログ主の知識など断片的である。そんな中、最初のシリーズのカークやスポックやマッコイやウフーラ(そしてスールー!)を押さえていれば大丈夫という分かりやすいつくりが嬉しい。みんなお馴染みのキャラクター過ぎて、その若き日を描くというアイディアは以前からあったらしい(そのSFマガジンの特集で丸屋九兵衛さんの記事から)が、なかなか難しかったに違いない。そんなアイディアを実現した本作は、思い切った発想でその辺を解決していて(ネタばれになりそうなので何も書かないことにします)、最終的にはもともと持っているシリーズの面白さについての親切な解説にもなっているので、新たなファン獲得にも大きな成功を収めそうだ。
 二、三気づいた点。レナード・ニモイにはやっぱ感動。すげえ重要な役だった。後任スポックの大役にあずかったのはあの‘ヒーローズ’のサイラー、ザッカリー・クイント。SF系でまた有名に。これまたSFマガジンの特集からだが初代マッコイ役も初代スコッティ(日本版ではチャーリー)役ももう亡くなってるんだな。ちょっとしんみり。
 個人的な事情からウルウルしてしまった場面もあったが、まあそれはあくまでもローカル事情。基本的には(ホント)活劇あり涙あり笑いありで、とかく良くも悪くも理想主義的で楽観的といわれるスター・トレックがそのらしさをポジティブに展開した理屈抜きのエンターテインメント作になっていて、この方向性は正しいと思う。