映画‘ソウル・パワー’

 先日‘月に囚われた男’を観た時、チラシで知って行くことにしたのがこの映画。6月12日に観てきた。映画に行くようになると芋づる式に続けて通うようになる好見本。宣伝は大事ということかな(同じ劇場ではないが)。公式HPはこちら
 1974年ザイール、アリ対フォアマンの一戦(結局ピークを過ぎているとされ下馬評の低かったアリが勝利し、キンシャサの奇跡といわれた試合)に先駆けて行われたブラックミュージックのコンサートのドキュメンタリー。 ようやく黒人文化が市民権を得始め時代に、ルーツであるアフリカと共闘していこうとするイベントといえる。
 舌鋒鋭く人種差別問題への怒りをぶちまけるアリの試合の前に行われるコンサート、もう一人の主役はジェイムス・ブラウンである。これまたミュージシャンの立場から妥協せずに差別問題と闘ってきた人である。トリに登場する40代の彼の脂の乗り切ったパフォーマンスも凄いが、多くの苦難を乗り切った上に語られる「誰も誇りを失ってはいけない」("I am somebody"と言おうと最後に語りかける)というメッセージには胸を打たれた。またPaybackの訳詞が字幕で出るのだが、これって「オレの女を寝とりやがって、高くつくぜ!」という歌なんだな。一見強面で他人を威嚇しているように見えるJBだが、実は恨み節である。ブルースの歴史があるんだなーと今更に知る。また「オレは空手が出来ないけど」なんてあたりもおかしい。
 その他の出演ミュージシャンは上記のサイトからこんな感じ。なかなか多彩である。
で備忘録的に雑感。
James Brown 上記
The Spinners アリの真似して、スパーリングさせられたのはメインヴォーカルの人かな?
→※追記 ていうかファンカデリックとも関係の深いフィリップ・ワインじゃん。
Bill Withers 「HOPE SHE'LL BE HAPPIER」熱唱が素晴らしい。
Sister Sledge 若い!アイドルみたいなノリで驚く。
The Crusaders 
Danny 'Big Black' Rey パーカッショニスト。超絶技巧。
Tabu Ley Rochereau youtubeでは年取った画像があった http://bit.ly/bF202H 
Francois "Franco" Luambo Makiadi(OKjazz) 名のみ知っていた。今度聴いてみよう。
Miriam Makeba アフリカの言葉独特の舌を打ち鳴らす音が入った曲‘THE CLICK SONG’知らなかったなー。
B.B. King こちらも若い。
Celia Cruz やっぱ派手だなー。
Pembe Dance Troupe(ダンサー/パフォーマー)
Manu Dibango

 他、とんねるずのコントでお馴染み(古!)ドン・キングの雄姿、日程をめぐっての意見が衝突するスタッフの姿などコンサート以外の見どころもある。ただ93分はいかにも短く、もっとコンサートのパートをみせて欲しかったというのが本音のところ。それでもジェイムス・ブラウンをみるだけでも元気が出た!お時間のある方は是非!