第22回SFマガジン読者賞

 2010年1月〜12月号のSFマガジン掲載作品の人気投票を行なうもの。海外・国内1編ずつ選ぶ。イラストレーター部門もあるがいつもよく分からないので棄権。
 短編のほうもあんまりちゃんと読んでいるとはいえないが・・・。今回は気に入った作品が揃ったので投票
○海外 テッド・チャン 『息吹』1月号
 これはオールタイムベスト級。扱われるテクノロジーはシンプルといってもいいが、ダイナミックに認識と結びつくところがスリリング。これは1位間違いないんじゃないかな。近年はイーガンよりチャンの方が充実しているような。
○国内 津原泰水 『テルミン嬢』4月号
 近年SFアイディアを駆使してあっと驚く作品を生みだしている著者がまたまた圧倒的な世界を構築。短いんだけど奇妙で美しい傑作。

他に新作のベストのアンケートもある。期間は2009年11月〜2010年10月の作品。国内は今回全く読んでいないのでこれもパス。海外も順位というほど読んでいないのでほとんど順不同に近いが一応4つ並べてみた。
1.J・G・バラード 『人生の奇跡』
2.ジョー・ウォルトン 『暗殺のハムレット
3.リチャード・マシスン 『運命のボタン
4.フリッツ・ライバー 『跳躍者の時空』
 ウォルトンは3部作だけど、分けて考えて一番盛り上がったのはこれかな。あとは昔の作家ばかりになっちゃったなあ。それでもバラードの自伝は落とせない。バラードこそ20世紀を体感させてくれる唯一無二の作家だと思うし、その貴重な記録となっている本だからである。ただやっぱり新しいものを読まなきゃな。来年がんばろ(積読も消化しないといけないが。とほほ)。