『地を這う魚 ひでおの青春日記』 吾妻ひでお

失踪日記』系統の自伝漫画。若い頃のアシスタント時代の話をこの人ならではのシュールなアレンジで描く。当然食うにも四苦八苦の生活であるが、仲間とわいわいやりながらののほほんとした空気感が漂っている。また若いので意外にもそれなりの上昇志向もみられる(笑)。『失踪日記』ほど追いつめられた感じはなくやや小粒だが、独特のセンスが心地よく、楽しんでしまう。自伝物はまた描いてほしいなあ。同時収録のその時代の短編漫画の絵柄がいかにも古めかしい感じで時代を感じさせる