ボーカロイド雑感

 SFマガジン初音ミク特集でまったくの遅ればせながらニコ動を中心にボーカロイドの音楽を聴いてみた。まだまだ聴き始めなので一部だけだけど、なかなか面白いのでちょっと感想。
・アニメ絵と連動しているように音楽的にもアニソン傾向が強くアイドル文化的要素も強い(というわけで当ブログ主が割りと苦手な分野)
・しかし意外と多様性もある。昭和歌謡的なものやファンクっぽい楽曲も比率的には多くなさそうだが、存在するし出来もいい。(2008年に既にミクでP-funkというのがアップされていたようだ。ただ単発で終わっているのが残念)
鏡音リン炉心融解’という曲があるのをはじめて知った。もちろん福島の事故とは関係なく随分前(2008年)に投稿されているものだが、タイムリーな内容となってしまった。ただ、原子力ネタ以外の部分もなかなか鬱な歌詞で後を引くし曲も完成度が高くインパクトの強い楽曲。ここ数日繰り返し聴いている。
ボーカロイドの利点、常人では出せない高音域でユニークなものつくれる。
・可愛らしい少女歌手にエグい内容(時代の気分だろうか、かなり暗い歌詞が時々登場する)を歌わせることができる。生身の歌手だと事務所からNGが出るようなものでもOK。
・二次創作のスピードが速いので予想もつかない方向へ展開していく。例えば‘炉心融解’を歌ってみる、というのも多くて人気者もいるようだ。もちろん動画もいろいろでまさにカオスといった様相を呈している(これは誰でもアクセスし参加できるネット文化の特徴で、その昔はネットの掲示板で同じようなことが展開されていた記憶がある)。

 アニソン系にあまりはまれない身としては音楽的にもうちょっと幅が出てきて欲しい気はするけど、初音ミクLA公演とか既に相当世の中を動かす力になってきているのは事実。個人的にはSF好きなブラックミュージック系の連中がこうした動きにどう反応するのかが見物(もうあるのかもしれないが)。