『リアル・スティール』 リチャード・マシスン

ぼくらのマシスンの短篇集がまたやってきた!ということなんだけどわりとこれ変化球。
リアル・スティール」 再読。『運命のボタン』では「四角い墓場」というタイトルだった。ポンコツのボクサー・ロボットでドサ廻りするこの話はマシスンの温かなユーモアセンスが感じられて好き。
「白絹のドレス」マシスンらしいホラー。
「予約客のみ」床屋の謎。なんかボーモントを連想。
「指文字」これは心理ホラー系かな。コワいなあ。
「世界を創った男」精神科に相談する主人公、のパターン(こういうのなんか呼び名がありそうなんだけどなあ)。予想外のオチ(笑)。
「秘密」婚約者の家にいったら大きな秘密が。これそのまま読んだらわからなかったろうなあ。
「象徴」管理社会を描いたSFで、こういうのは50年代らしいなあ。
「おま★★」ドタバタSF。このタイトルは神。
「心の山脈」恋人も置き去りにして衝動的にある地へ赴く男。割とフツーな話のような。
「最後の仕上げ」ジャンル不明で掲載を断られたとあるが、明らかにミステリだよね?それって編集者が適当言ってたんじゃないの?

 恐怖というイメージのみではないマシスン作品を紹介ということのようだが、個々の作品は悪くないものの統一感が乏しくなんか散漫な印象が残った(古いSFっぽいものが入っているせいかもしれない)。ホラーやシリアスものを抜いて、いっそユーモア作品だけにしぼってみたらよかったのでは?