SFマガジン2011年4月号ベストSF2010上位作家競作
さて去年のSFマガジンの読みきりも読んでみたよ。(まあ要はジェイムズ・モロウの怪獣短篇を読もうと思いついでに他も読んだというだけだけど)
まず翻訳もの。
「神が手をたたくとき」マイクル・F・フリン
現代的にブラッシュアップされた異星生命体探査もの。読みやすく楽しめたのだが、大体作風が分かった。さて『異星人の郷』だが、読める予定が立たないので、ゆるしてもらってもいいかなあ。<twitterと同じネタしか思いつかない(笑)
「セバスティアン・ミンゴラセの七つの人生(のようなもの)」フェリックス・J・パルマ
多世界解釈を下敷きにした異色作家短篇。こういうのは当然好き。割と周到に作られてるんじゃないかと思うので、またいつか読み返さなきゃ。積んでいた「時の地図」を発掘して上の方に取り出したよ!
「リリエンタールの末裔」上原早夕里
もう現在は短篇集のタイトルになっているな。『華竜の宮』などと同じ世界の話だが、これは海ではなく飛翔をテーマにしている。どちらかというとアイディアというより人間ドラマが中心。飛翔のシーンが素晴らしい。リリエンタールは野尻抱介さんが出てくる<大人の科学Vol.31(羽ばたき飛行機セット)>にも登場していたなあ。
「カメリ、メトロで迷う」北野勇作
カメリ、カヌレ作りに挑戦。ぬるぬると地下水路を進むメトロは吾妻ひでおにイラストを描いて欲しい。それにしても北野作品のシュールで懐かしいような世界はどこか切ないんだよね。震災後ますますそう感じるのだが、元からそういう作品を書いているので、われわれとこの世界の関係の本質をついているのだろうと思う。