『プロ野球 強すぎるチーム弱すぎるチーム』 小野俊哉

 我が愛する哀愁のお荷物球団ベイスターズも球団買収となり、なにはともあれ長期停滞からの脱却を期待させる状況と相成った。というわけで他球団の情報にもようやく落ち着いて目を向けられるようになり、こういう野球本にも目を通せる心持になった(球団消滅すら懸念される時期は他の11球団どれもうらやましく、冷静に野球本など読めないのだ)。
 さて「チームの本当の強さ弱さのポイントは実はここにある!」といった内容は野球小僧のような雑誌にもみられるが、どんな切り口を用いようが結果論に過ぎず本気で信用するにはいたらないものである。この本もものすごく斬新な解析法をしているわけでもなく自信たっぷりに持論を展開するところなどまあ話半分で、といった域を出ないが比較的データは豊富で分析としては真っ当な方で信頼できる部類に属するだろう。特に昔のチームの情報はあまり知らなかったのでその辺は面白かった。戦前の選手はやはり戦争で随分亡くなったんだなあ。一方、鶴岡一人は戦場で射撃の腕が良かったようだ。あと監督というのはあちらこちらに目が行き届かないとダメなんだろうなあというのはどの名匠の話を読んでも感じるな。尾花前監督も投手の育成の能力は悪くなかったと思うけど、打順の組み方に弱いチームらしい工夫が無かったのはやはりそういう能力はなかなか磨きにくいということだろうな。
 さて肝心の今年の横浜DeNAベイスターズ。1・2番の出塁率を上げないとダメみたい。めどがついてないぞ。こりゃだめだ(哀)。