『桜田門外ノ変』上巻 吉村昭










 今年の大河ドラマは幕末を扱っているが、全く史実に明るくないことに気づき、またこれまで高名な著者の本を読んだことが無かったのでこの本から読んでみた。幕藩体制において、各藩というのがそれぞれ特長を持っていて利害関係が絡んでいたことを今更ながら知る。また安政の大獄で夥しい血が流れていたことも思い知らされた。大変重苦しい出来事が続くが、暗殺側の話として全国を駆け巡り敵をギリギリで欺きながら隠密行動をし計画をすすめる、というスパイ小説ばりのスリルもある。