最近TVで観た映画

下妻物語』 甘ったるい話かと予想していたが、コミカルで変な味もあって結構面白かった。尼崎=ジャージの国とか。北関東郊外の風景が(以前しばらく仕事をしていたので)懐かしい。特に駅や河原や民家の映像がらしいんだが、個人的には主人公の二人が話をしていた喫茶店はが良かった。ああいうのにそっくりなのがあるんだよ。かなりデフォルメされていたが。

 

ピッチブラック』 いつも途中からとかでちゃんと通して観たことは今回初。異星生物とか割とちゃちなんだけど、テンポが良くて映像も話と合っていて全体的にいいバランス。なかでも危険人物としての主人公をどうやって使っていくみたいなところがまずはこの映画成功の鍵だろうな。評判がいいのも当然だな。

M・ナイト・シャマランの『サイン』。『小説のストラテジー』で解説されていたので、なるほどなあと思いながら観ていた。重苦しく閉塞感の強い画面が続く中、銀紙で作った帽子がおかしかったなあ。

シックス・デイ』 クローンというかコピー人間というかそんな技術が発達した未来。ある日主人公は自分のコピー人間に生活を奪われてしまう。実存不安シュワちゃんキタコレ映画。何というか典型的なシュワちゃんSF映画。 そんな未来にしては悪党が上手く技術を利用できていないとかまあその辺は置いておいても、話もゆるいなあ。アクションはそこそこ、という感じ可もなく不可もなく。

『フェアゲーム』 クライムサスペンスなんていう宣伝文句もあったが、結局出てこなかった例のイラク大量破壊兵器をめぐる政治スキャンダルを丁寧に追ったシリアスな作品。ショーン・ペンと、ナオミ・ワッツが好演している良作。ただ実際には大変重い話でもあり、また一見では分からない部分も多かったので詳細をいつか調べたい。

勝新『続・酔いどれ博士』 勝新演じる我が道いくのんだくれ医者が、ある貧しい町でマジメに安全な管理売春を行う会社の立ち上げにつき合わされるという性をテーマにしたちょっと変わった作品。性的な話は今となってはトンチンカンな部分が目立つ(殴り合って性欲を解消とか絶倫過ぎて4人妻を亡くして5人目を探している男とか女性の描かれ方がステレオタイプとか)がストレートに扱われていることで十分ユニークなのだが、終盤驚くような展開になり唖然呆然(一応色を変えて以下に書くと、最後ブチ切れた勝新がブルドーザーで町全体を破壊しておしまい、でもみんな恨んでいないという(笑))。さすが侮れない。実はさらにショッキングだったのはリアル1960年代(1966年の作)ジャパンの貧しい風景。
いわゆるスラム街を扱っているとはいえ、廃材が放置され淀み切ったドブ川に埃のヒドイ隙間風がいつも舞っているような木造の家などカラーだし驚かされる。