映画‘ビッグ・ヒート/復讐は俺にまかせろ’

 またまた新橋文化でフリッツ・ラング

 ダンカンという刑事が自殺し遺書にはギャングとの関係の告白があった。しかしその死に疑問を持った警部バニオンは・・・。

 

 主人公は正義漢であるが、ギャングが力をふるいや政治や警察が腐敗する中、悪と悪、エゴとエゴの対立の中で次第に闇に飲まれ孤独な戦いを続ける話で、<運命の女>風なグロリア・グレアムも登場するし、先日の‘暗黒街の弾痕’(1937年)に比べるとこちらの方がいわゆるノワールのイメージに近い。いわゆるノワールは第二次大戦後の一時期(とりあえず日本版Wikiの起源と定義読むと、一般的には1941〜58年くらいのようだ)で、本作は1953年と時代もぴったりなので当然かもしれない。映画としてもこちら方が面白かった。次第に入り組んだ関係が明らかになり、主人公に身辺に危険が迫っていくところもスリリングだし、登場人物たちのそれぞれ強烈な悪党ぶりもはまっている。後半非常にダークな展開を示し、グロリア・グレアムもさらに存在感が高まっていき、それもまたいい。もう一度観たいなこれ。ノワールものはもっと観たくなってくる。
ちなみに観たことがないので思いつきだが、1949年のノワール映画‘白熱’(White Heat)と関係あるのかな。こちらが後だからオマージュとかかなあ。