SFマガジン2013年11月号特集 海外SF短篇セレクション

 読書意欲減退中で雑誌の短篇をちょろちょろと・・・・。
 特集は海外SF短篇コレクション。分載のストロス以外の特集短篇を読んでみた。
「ホワイトフェード」キャサリン・M・ヴァレンテ 閉塞した保守的な世界に暮らす少年少女が適齢期になり通過儀礼としての「お披露目」に臨む。複雑な作品背景を十分に読み解けた感触は無いが、思春期の心の揺れと共に次第に深刻な社会状況が明らかになる手腕は巧み。読んだのはこれで短篇2作だけだがユニークな日本趣味もあって興味がそそられる。「孤児の物語」長いけど読もうかなあ。
ジャガンナートー世界の主」カリン・ティドベック 偉大なるマザーの中で生まれた少女の成長が描かれる。ぐちょぐちょぬとぬとの不気味な異世界生物なんだけどさわやかな話でこれも面白かった。
「最終試験」メガン・アーケンバーグ 結婚生活に訪れた悲劇の原因はなんだったのか?選択問題形式で話が進むところがユニークで、非日常的な要素が皮肉なタッチで混入するところも上手い。これも良かった。
「真空キッド」スティーヴン・バクスター 事故から偶然に宇宙での特異体質を持つことを知った主人公。ヒーローものの導入部みたいなところでとどまるのが惜しい。続きは書かないの?