NHK連続テレビ小説「あまちゃん」終了

 

なんかすごい盛り上がってる。
 まあそれもそのはずで、後半しか見ていない自分が言うのもなんだが非常に考えられたコメディで、例えばこのまとめのように精緻に構築された作品世界はどうやら一度見たぐらいでは把握できないほど奥深いようだ。
 それはよりドラマや映画に詳しいお任せして、個人的な雑感を。

 このドラマはアイドルに憧れたが挫折した母親とその娘がまたアイドルを目指す、というアイドルというものが大きな柱となっている話。ブログ主は80年代文化育ちの世代なので、実は当時のアイドル文化にハマった経験は無いものの、さすがに懐かくそれだけではなく随所に優れた批評眼といったものが感じられるのが良かった。例えば薬師丸ひろ子演じる鈴鹿ひろ美と小泉今日子演じる天野春子は、地としてアイドルにおいてのいわゆる天然系と迫力ある番張ってる系(要はスケバン系)の対比みたいなところがあって、そういえばそういう風にも分けることも出来たのか
などと感心させられる(まあ結局どちらも我の強さは変わらないだろうが)。そして演じる二人は角川映画系アイドルとベストテン系歌謡系アイドルの対比とも取れるような虚々実々ぶりが楽しい。虚々実々といえばさかなクンの自前のコレクションを水族館へ寄附するところとか恐竜の骨のくだりとか、現実のエピソードがところどころに含まれているのも全体にいい重しを加えていると思う。

 もちろん演技も素晴らしく、個性的な人物が適材適所で印象を残してきたし、なにより宮本信子の演技には特に引き込まれた。

 伏線の丁寧な回収も効果的だったし、音楽も非常に良く、ロックネタの細部も楽しかった。人気が出たのも当然だろう。