斉藤隆の本

 またまたいきなり野球の話題になるが、斉藤隆は以前から好きな選手である。
 不思議な投手である。熱心なファンではないけれど、大学から投手になったという信じ難いスタートから、怪我の中で先発・抑えと姿を変えながら、いつのまにやらドジャースのクローザーにおさまっているという先の読めないキャリアがなんともツボにはまる。強烈な自己主張に欠けるせいか、歴代の大洋〜横浜の主力投手の中でも力や実績の割りに印象が弱かった感じもするが、それもご愛嬌である。右投げ左打ちというのもシブい。もちろん小気味よい投球も好きだけどね。
 斉藤隆は今年も好調である。セーブは6 防御率1.04で、所属するドジャースナ・リーグ西地区の首位だ(4/25現在)。
 なのに今年は松坂フィーバーでア・リーグに注目が集まっているのでもう一つ印象が薄い。これまた、らしい気がする、というのは失礼か。
 そんな斉藤隆の本が出ている。
 主に大リーグでのサクセス・ストーリーが中心であるが、控えめなキャラクターのまま徐々に実力を発揮していく過程がファンとしては嬉しい感じだ。素直な、アメリカ野球についての感想も面白い。
 斉藤隆といえば昨年の大リーグ中継が印象に残っている。試合が終わり、「はじめての解説で緊張した」というような話を本人がしたあと、横に居た長谷川シゲは「そんなことなかったよ。はじめてなのによく喋れていた。」みたいな余裕のコメント。二人のキャラが実によくあらわれていた。
 
 ところで、本書で吉本新喜劇がロス公演をしていたことを知った。