2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『フィーヴァードリーム』 ジョージ・R・R・マーティン

経営する蒸気船運輸会社が傾きかけたマーシュに好条件の出資を持ちかける謎の男ヨーク。一方農園主を装い、人を支配し生き血をすする〈血の支配者〉ジュリアン。19世紀中頃のミシシッピ川を舞台にした吸血鬼ものに軽くSFアイディアが組み込まれ、マーシュ…

やはり驚く

森もすっかり寒くなって参りました。ところで旧聞になりますが、Takemanさんのアルファ・ラルファ大通りの脇道経由で話さないと伝わらない日記さんを見て・・・。んごぐぐぐぬぬ!!!ほほ本当にこんな面子で出るのでしょうか??そういや『ゴーレム100』や…

『ディケンズ短篇集』

普通に現代的な短編が多い。訳者の解説通り、ホラー風味、ミステリー的仕掛け、異常心理などが特徴となった作品集。「奇妙な依頼人の話」「狂人の手記」「ある自虐者の物語」、「ジョージ・シルヴァーマンの釈明」にみられる異常心理や鬱屈した人間心理の告白は時代…

『楽園への疾走』 J・G・バラード

「アホウドリを救え!」核実験の危険にさらされた島を救おうと環境保護運動を展開する狂信的な中年女性医師バーバラと、日々を無為に過ごしていたが彼女に魅了され行動を共にする少年ニールらの激しい活動はいったん成功を収めるかに思えたが・・・。 もちろん…

『嘲笑う男』 レイ・ラッセル

ちょっと印象が弱いかな。 集中四分の一を占める「サルドニクス」(『マッド・サイエンティスト』にも収録)を除くと、ショート・ショートばかり。男性誌の編集長ということで、軽いタッチがいかにもらしい。非常に良く出来ているが、やや薄味というか。火星の小…

ジョン・エントウィッスル

ロックネタ。 最近気になるのはジョン・エントウィッスル。ザ・フーの技巧派ベーシスト。 確かに‘My Generation’のベースは強烈だが、正直なところテクニックうんぬんはよく分からない。 興味深いのは彼の作る曲である。ザ・フーのベストで‘My Wife’を聴いた…

『テクニカラー・タイムマシン』 ハリイ・ハリスン

映画監督バーニイは、つぶれそうな映画会社クライマックスにタイムマシンを使っての映画作りを持ちかける。何とか『ヴァイキング・コロンブス』製作が船出となるが、トラブル続きの上に後戻りは出来ないし、というお話。大男のヴァイキング、マッド・サイエ…

『ラギッド・ガール』 飛浩隆

待望の《廃園の天使》シリーズですよ! 予定では『空の園丁(仮)』が先だったような気もするが、本短編集が登場した。今回は〈数値海岸〉の成り立ちや〈大途絶〉の経緯が明らかになる。 実に周到な設定のシリーズである。仮想空間の話だから、基本的に何でも…

『ブラック・ダリア』 ジェイムズ・エルロイ

おお映画と違うではありませんか(どの辺かは一応書かないようにしとく)。終盤のエグい描写はいくらなんでもそのまま劇場映画にはちょっとね。バッキーの昏い部分も強烈に描かれているところもなかなか。エリザベスのフィルムを皆でみるシーンは原作にもある…

過去のない男におどろく

タイトル変えました。 時々NHK-BSの映画を観る。今日はアキ・カウリスマキ監督の『過去のない男』。ちょい枯れ中年のラブ・ストーリーでシブ〜イ小品。いやそんなことより終盤になにやら聴き覚えのある歌声に、ン?「ハワイの夜」?(それにしてもなんなんだあ…