2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ひとりっ子』雑感

SFマガジンに載っていたものを何編か読んでいたので、ちょっと甘くみていたら解説通り結構歯ごたえがあり、正直まだ消化不良。ただ、「ふたりの距離」は文句なくおかしかった。一つになりたい、という恋人達の願望をまっすぐに実現しようとしてエスカレートし…

ああゆうちゅうぶで無為に

youtubeに何でもあるわけではないけど、いろいろなものがあって驚かされる。最初懐かしの80年代ミュージックビデオとかをみていたのだが、もっと珍しいものもあることが分かった。とりあえず自分の記憶のために印象に残ったものを挙げておく。○ポップ/ロッ…

『高い城・文学エッセイ』 スタニスワフ・レム

というわけで読んでいた評論集とはこれだったのだが、読了するのにかれこれ一年くらいかかったかもしれない。20年以上前からレムの評論やインタビューなどを時々読んでいた記憶があるがいまだに難解で、自分の進歩のなさにがっくりくることもあった。ただ、…

局所的偶然(些細)

以前から、とある作家の評論集を読んでいるがなかなか読み終わらない。数日前から再びとりかかり、昨日は「ロリータ」についての項を読んでいた。一方、また別の作家の短編集をこれまたダラダラと読んでいる。今日、その一編にハンバート・ハンバートの名が…

ベストSF2006

お世話になっている森下一仁先生のところの「ベストSF2006」に今年も投票。1.「デス博士の島その他の物語」 ジーン・ウルフ 2点2.「ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉」 飛浩隆 1.5点3.「ベータ2のバラッド」 若島正編 1点4.「グラックの卵」 浅倉久志編 0.5…

『楽園の泉』 アーサー・C・クラーク

いまさらシリーズ。 科学的アイディアを基盤に、宇宙的スケールで人類を描いていくというSFのスタンダードを築いたクラークの正攻法な傑作。たしかにここに出てくる人類は、実際の人類より合理的に問題解決にあたっており、やや理想主義に過ぎるという感じ…

『サンクチュアリ』 フォークナー

1920年代アメリカ南部。自動車事故を起こして帰れなくなった女子大生とその彼氏が、助けを求めた廃屋には無法者がたむろしていてエライ事に・・・。 まあ著者が“想像しうる最も恐ろしい物語”というのも伊達ではないぐらい陰惨な話。いやあ不注意なんでちょっ…

『狼の一族』 アンソロジー/アメリカ篇(異色作家短篇集18)

異色作家短篇集まだまだ読み残しはあるけれど、若島印ということで、新アンソロジー第一弾に手を伸ばしてしまった。狼男アンソロジーかと一瞬思ったら違った。国別という区切りだった、そういえば。 元来移り気なので、一人の作家を徹底的に追いかけた記憶が…