2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『太陽の帝国』 J・G・バラード

長らく積読していた。実は刊行当時に途中まで読んで止めてしまっていた。まだSFばかりを読んでいた時期だったので読み始めたはいいが、普通小説であるというだけで物足りなくなってしまったのである。さて今回、ああ実にバラードらしい小説だなあということ…

J・G・バラード逝去

自伝でも末期癌であることを告白していたというバラード。 享年78(柳下毅一郎さんの映画評論家緊張日記から)。覚悟はしていたが、やはり辛い。個人的には早くからバラードを理解できたわけではなかったが、ここ10年ほどは本当に重要な作家であることに気づ…

『泰平ヨンの回想記』 スタニスワフ・レム

ベイリーのロボットものを読んだらレムのユーモアものを読みたくなって積読本に手を出した。これはたしか出先(広島だったと思う)の古書店でレムの文庫が安く並んでいたので何冊かまとめて買ったんだな。10年くらい前かな。 閑話休題。泰平ヨン、初めて読んだ…

イチロー

個人的に日米通算記録というのはどうも厳密さを欠いている気がするのであまり興味はわかないのだが(なんか日本人だけが盛り上がっている感が否めない評価方法だ)、復帰初戦に記録挑戦と注目が集まる打席で満塁ホームランを打つイチローには脱帽だ。少し可…

『ウォッチメン』 アラン・ムーア&デイブ・ギボンズ

さて読み終わった。まずびっくりしたのは活字が多いこと、それから実に絵がカラフルだということ。細部まで描きこまれ絵、複雑な構成(コミック内エッセイ、コミック内フィクションといった具合の入れ子構造あり)読み進むのに予想以上に時間がかかった。 とい…

春の散歩

昨日は天気が良かったので朝に稲村ケ崎から極楽寺などを散歩。 最近この小さい紫色のきれいな花をよく見かけるので、調べたら諸葛菜(しょかつさい)というらしい。ハナダイコンとも呼ばれるようだ。 こちらは著我(シャガ)。好きな花で去年この群生していると…

映画‘ウォッチメン’

アメコミは全くの門外漢で原作も読んでいない状態であるが、盛り上がっているようなので性懲りもなくほとんど好奇心で先日みてきた。というと少し嘘があって、コミックの『ウォッチメン』を柳下毅一郎さんが高く評価をしていたことは知っていたので、映画化…

『ロボットの魂』 バリントン・J・ベイリー

さてSFマガジンの特集号を読んでベイリーをもっと読みたくなって積読本に手をのばした。‘ロボット二部作’と呼ばれるベイリーのロボットSFの一作目である。 老ロボット師によってつくられた自由意思を持つロボット、ジャスペロダス。さすらいの旅に出た彼は様…

SFマガジン5月号 ベイリー&ディッシュ追悼特集

待望の二人の特集号である。エッセイや特集解説をあっさり読み終えてしまうと、前にも書いたように二人いっぺんというのは分量が少なくて残念だなあと感じたのだが、短編がどれも両者の個性が出ていて気を取り直した。 ベイリーとディッシュ。同じニューウェ…

さっそく三タテ

いきなり中日に三タテをくらう。投打にいいところが全くない。ことしも酷そうだなー(泣)。 村田・内川の活躍でWBCに浮かれていた横浜ファンにきっちりと冷水を浴びせる落合監督は皮肉ぬきでさすがとしか言いようがない。 ※で、その後予想通り完璧に壊れた…

『マラマッド短編集』

年刊SF傑作選4の変な傑作「ユダヤ鳥」に不思議な面白さがあったので、新刊では手に入らない本書を探していたが、たまたま立ち寄った大型古書店で発見。ユダヤ系らしい独特のカラーがあるなかなかにユニークな作家だ。アマゾン評で柴田元幸が『アメリカ文学…