2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『夜の樹』 トルーマン・カポーティ

美しく儚く歪んだ世界。ほとんどが20代前半で書かれているのが信じられない。作品の完成度もそうだが人間の暗い部分に対する底知れぬ洞察力がとても若者のものとは思えない。 「ミリアム」「夜の樹」にはいずれも孤独な女性の静かな時間をおびやかす侵入者が登…

インスタントストア、〈ダーク・ファンタジー・コレクション〉

左上とプロフィールページにamazonのすすめでインスタンストアとやらをつくってみた。なんだかうまくいかないなあ。 それはそうと、渋ーい海外ミステリのシリーズ(読んだことないけど)で知られる論創社から当ブログを震撼させるコレクションが!こ、こ、これ…

『トルーマン・カポーティ』『叶えられた祈り』

トルーマン・カポーティ〈上〉 〈下〉 おびただしい証言によりカポーティの人物像に迫る本。無邪気すぎる上昇志向とその挫折といったまさにフィクションのような人生がかいま見られる。派手好きで自己顕示欲が強い一方で南部出身のコンプレックスの強い小男…

『冷血』 トルーマン・カポーティ

映画を観る前の予備知識アップのため、カポーティ強化中。 で、この<ノンフィクション・ノヴェル>は現代ジャーナリズムに相当な影響を与えたらしい。実際、例えば同テーマの犯罪実録本は山ほど出ていて、本書の後半での犯罪心理の分析などはありふれている…

カエターノ、セウ

2年前に出ていて聴きたかったのだが、ようやく購入。カエターノは1996年頃にミュージック・マガジンなどで紹介され、一時相当はまって1997年の来日公演も行った。最近はご無沙汰であったが、衰えぬ冒険心とたおやかな歌声にあらためてその存在の大きさを知…

『サンディエゴ・ライトフット・スー』 トム・リーミイ

まあ伝説の作品といって良いと思う(作者は42才の若さでタイプライターの前で死亡)。いつもながらのハーラン・エリスンの濃ゆい序文はとりあえず置いといて、決して派手な作風ではない。作品のヴァラエティはそれなりにあるもののアイディアや話の骨格はシン…

『炎のなかの絵』 ジョン・コリア

いわゆるショートショート集といった感じ。ユーモア色がわりと強いかな。スタイリッシュといっても良いぐらいに長さも皮肉な味わいもオチの決まり具合も揃っている。〈先生、変な夢を見るんです〉の「夢判断」、夫婦のすれ違いぶりがあまりにも見事な「記念日の…

浮上せよ

裏天王山第一試合に未勝利の吉見大先生が!!どうなるかと思いきや、意外や意外手に汗握る熱い試合に!ただ、勝っても天国が訪れるわけではないんだけどね・・・。TVで試合後の字幕「横浜 5位浮上」が泣かせる。<どうやら「巨人 最下位転落」と書きたくないら…