2006-01-01から1年間の記事一覧

『太陽の黄金の林檎』 レイ・ブラッドベリ

本年最後はブラッドベリで。ブラッドベリは抒情的な作家というイメージが強く、なんとなく自分の守備範囲外だなあなどと思い、これまた不勉強にもあまり読んでおらず、本書も初読。「ミルク色の月はイリノイ州の上空に昇り、その光を受けて河はクリームに、道…

『紙葉の家』 マーク・Z・ダニエレブスキー

写真家ウィル・ネイヴィッドソン一家が奇妙な家で体験した恐ろしい出来事。→残ったヴィデオなどからザンパノが『ネイヴィッドスン記録』を残す。→それを発見したジョン・トルーアントが注釈・編集。というような複雑な構成をベースに、沢山の注釈が暴走した…

JBがああ!!

逝くなんてええ!!!まさかまさかそんな日が来るとは・・・。何があっても死なない。そんな怪物だったはずじゃないのか。これまたクリスマスの日だとはなあ。巨大な山脈のような作品群ゆえ、全然登れていない山がまだまだある。取りあえず個人的に好きな5曲…

今夜は

クリスマス・イヴ。CKB友の会からのDVDで和む。今年も楽しませてもらったなあ。Merry Cristmas&Happy New Year !

‘死後硬直’ ジョン・エントウィッスル

ラテン語で死後硬直を意味するバンド名、どうやら別のスラッシュメタルバンドにもあるようだが、実にジョン・エントウィッスルらしいネーミングである。ジャケットも棺桶だし。このアルバムの音楽コンセプトはロックンロール。他のアルバムでも割合親しみや…

『死のロングウォーク』 スティーブン・キング

100人の少年のうち、1人だけが生き残るレース。ルールは簡単、歩き続けて時速4マイル以下になると警告1回、警告4回目で射殺されるというのだ・・・。何だかどこかの小説にそっくりな気もするが、こちらの方がずいぶん先。あまりにストレートに話が展開するの…

そういうことか

リチャード・リンクレイターが気になったので、柳下毅一郎氏の素晴らしい映画ガイド「シー・ユー・ネクスト・サタデイ」を調べたら『ウェイキング・ライフ』がドラッグ映画であることが判明。なるほど元々そうゆう人だったのねん。

映画‘スキャナー・ダークリー’

公開される劇場が少ないので、逃すと一生観られなくなるかもしれないと思い、とにかく‘スキャナー・ダークリー’を観た。まず実写にデジタル・ペインティングを施す〈ロトスコープ〉という手法による映像が独特。監督のリチャード・リンクレイターは作品『ウ…

『虹をつかむ男』 ジェイムズ・サーバー

都会的な軽いタッチが特徴。 ジャンル分けは確かにしにくい作風で、作品は多様。日常に妄想が入り込むタイトル作や「愛犬物語」「決闘」なんかは割合ふつうの形式のよく出来た小説。「空の歩道」「大衝突」「142列車の女」「妻を処分する男」「ビドウェル氏の…

『黎明の王 白昼の女王』 イアン・マクドナルド

イアン・マクドナルド(プログレじゃない方)の長編ファンタジー。異世界とつながる能力を持ってしまった一族(女系)の物語とでもいいましょうか。 時代を変えての三部構成(形式的には四部だが、短い第三部は第二部の続き)で、様々な手記で語られる第一部、語…

雲と夕焼け

雲がゆっくりと流れていきます。そして森の夕陽。写真は練習中です。

『フィーヴァードリーム』 ジョージ・R・R・マーティン

経営する蒸気船運輸会社が傾きかけたマーシュに好条件の出資を持ちかける謎の男ヨーク。一方農園主を装い、人を支配し生き血をすする〈血の支配者〉ジュリアン。19世紀中頃のミシシッピ川を舞台にした吸血鬼ものに軽くSFアイディアが組み込まれ、マーシュ…

やはり驚く

森もすっかり寒くなって参りました。ところで旧聞になりますが、Takemanさんのアルファ・ラルファ大通りの脇道経由で話さないと伝わらない日記さんを見て・・・。んごぐぐぐぬぬ!!!ほほ本当にこんな面子で出るのでしょうか??そういや『ゴーレム100』や…

『ディケンズ短篇集』

普通に現代的な短編が多い。訳者の解説通り、ホラー風味、ミステリー的仕掛け、異常心理などが特徴となった作品集。「奇妙な依頼人の話」「狂人の手記」「ある自虐者の物語」、「ジョージ・シルヴァーマンの釈明」にみられる異常心理や鬱屈した人間心理の告白は時代…

『楽園への疾走』 J・G・バラード

「アホウドリを救え!」核実験の危険にさらされた島を救おうと環境保護運動を展開する狂信的な中年女性医師バーバラと、日々を無為に過ごしていたが彼女に魅了され行動を共にする少年ニールらの激しい活動はいったん成功を収めるかに思えたが・・・。 もちろん…

『嘲笑う男』 レイ・ラッセル

ちょっと印象が弱いかな。 集中四分の一を占める「サルドニクス」(『マッド・サイエンティスト』にも収録)を除くと、ショート・ショートばかり。男性誌の編集長ということで、軽いタッチがいかにもらしい。非常に良く出来ているが、やや薄味というか。火星の小…

ジョン・エントウィッスル

ロックネタ。 最近気になるのはジョン・エントウィッスル。ザ・フーの技巧派ベーシスト。 確かに‘My Generation’のベースは強烈だが、正直なところテクニックうんぬんはよく分からない。 興味深いのは彼の作る曲である。ザ・フーのベストで‘My Wife’を聴いた…

『テクニカラー・タイムマシン』 ハリイ・ハリスン

映画監督バーニイは、つぶれそうな映画会社クライマックスにタイムマシンを使っての映画作りを持ちかける。何とか『ヴァイキング・コロンブス』製作が船出となるが、トラブル続きの上に後戻りは出来ないし、というお話。大男のヴァイキング、マッド・サイエ…

『ラギッド・ガール』 飛浩隆

待望の《廃園の天使》シリーズですよ! 予定では『空の園丁(仮)』が先だったような気もするが、本短編集が登場した。今回は〈数値海岸〉の成り立ちや〈大途絶〉の経緯が明らかになる。 実に周到な設定のシリーズである。仮想空間の話だから、基本的に何でも…

『ブラック・ダリア』 ジェイムズ・エルロイ

おお映画と違うではありませんか(どの辺かは一応書かないようにしとく)。終盤のエグい描写はいくらなんでもそのまま劇場映画にはちょっとね。バッキーの昏い部分も強烈に描かれているところもなかなか。エリザベスのフィルムを皆でみるシーンは原作にもある…

過去のない男におどろく

タイトル変えました。 時々NHK-BSの映画を観る。今日はアキ・カウリスマキ監督の『過去のない男』。ちょい枯れ中年のラブ・ストーリーでシブ〜イ小品。いやそんなことより終盤になにやら聴き覚えのある歌声に、ン?「ハワイの夜」?(それにしてもなんなんだあ…

『特別料理』 スタンリイ・エリン

‘特別料理’という超有名な短編がある、と聞けばまずアレかなと考えるよね。で、やっぱりアレなわけだけどこれが傑作なんだよなあ。あらすじだけで小説を読んだ気になっちゃいけないんだという基本的なことを思い出したり。するとこの人の特長は、アイディア…

今度は青心社

まだまだ翻訳短編集の出版攻勢は続く。復刊ですけどね。 ちょっと懐かしい青心社SFシリーズが。 悪漢と密偵さん、アルファ・ラルファ大通りの脇道さんのところで知りました。 有難うございました。 あの頃はまだ手が出なかったんだよなあ。デーモン・ナイ…

『時間都市』 J・G・バラード

これは『終着の浜辺』より、さらに〈普通の〉SF短編集のように感じられる。普通というのはアイディアを中心に話が展開されることや、その顛末がはっきりとしたオチとして提示されるといった作品が多いことによる。それにしても見事なアイディアと色彩豊か…

『ロリータ』 ウラジミール・ナボコフ

あらすじを追う程度の初読だけど、やっぱり凄いわ。まずネタ自体が50年たった今でも(ある意味現代ではさらに)衝撃的だし、ハンバートのナルシスティックでグロテスクな自己弁護もまた十二分に恐ろしい。さらに若島先生自身の解説によると、背景となるテーマ…

映画‘ブラック・ダリア’

熱心な映画ファンとは口が裂けてもいえない当ブログ管理人だが、ブライアン・デ・パルマは自分の中では好きな監督に属する(とはいっても劇場で観たのは6作)。初めて観たのは‘殺しのドレス’。華麗な映像テクニックと変態性あふれる作風にやられ、トラウマにな…

CRAZY KEN BAND GALAXY TOUR 2K6@中野サンプラザ

というわけで行って来ました、クレイジーケンバンドショウ@中野サンプラザ!まだツアー中なのでネタばらしはしないことに。いろいろ書いて盛り上がりたいが・・・。新旧様々な選曲でとにかく文句なく楽しめるライブなのはもちろん、ニューアルバムのキャッチ…

いよいよ

明日だ♪中野

『破局』 ダフネ・デュ・モーリア

42年ぶりの復刊とは意外なほどすんなり読める傑作ばかり。「アリバイ」 サイコ・キラーもの。主人公の心理描写と(物語中の)出来事の間の絶妙なずれがポイント。コワい。「青いレンズ」 アイディアとしては昔の中間誌の日本SFみたい。ただドタバタにはならず奇…

Breakfast at Tiffany's Truman Capote

頑張って原書で読んでみた。ちなみに原書読了はこれまで数冊程度)。翻訳で作者固有のモチーフを飲み込んでいたからか単語が平易なのか、思ったより理解できた。 韻や語呂合わせが頻繁に登場しており、文章のリズムが(ノーマン・メイラーが裏表紙で指摘するよ…