‘死後硬直’ ジョン・エントウィッスル

 ラテン語で死後硬直を意味するバンド名、どうやら別のスラッシュメタルバンドにもあるようだが、実にジョン・エントウィッスルらしいネーミングである。ジャケットも棺桶だし。このアルバムの音楽コンセプトはロックンロール。他のアルバムでも割合親しみやすい曲の多い人だが、これはど真ん中のロックンロールばかりで、あの‘ハウンド・ドッグ’まである。それでも歌詞は相変わらずバンド名にふさわしいようなネタばかりなのがおかしい。ホントにその手のネタがお好きなようである。例えばめちゃくちゃ直球のロックンロール賛歌なのに見逃せない‘I want to feel like I'm still alive’の一節。または3曲目の‘Do The Tangle’。タイトルから洋楽を聴きなれた人ならダンスの歌と分かるが、そのダンスは新しいロープを使ったダンスで・・・。いかにもなオチがつく(日本盤解説ではその辺りが触れられていた)。7曲目の‘Roller Skate Kate’はローラースケートをやっていた彼女が交通事故にあって死んだという歌。感傷的といえなくもない古典的ロッカバラードなのだが後半のSEはどういうつもりなんだか。とにかくこの作品も、らしい一作である。
 ところで以前に聴いたことがあったかどうか記憶があやふやだった、2曲目の‘Mr. Bassman’はJOHNNY CYMBALという人の1963年のヒット曲と知った。そうそう、ドナルドダックダンシンヤさんのアレ!