『ロリータ』 ウラジミール・ナボコフ

 あらすじを追う程度の初読だけど、やっぱり凄いわ。まずネタ自体が50年たった今でも(ある意味現代ではさらに)衝撃的だし、ハンバートのナルシスティックでグロテスクな自己弁護もまた十二分に恐ろしい。さらに若島先生自身の解説によると、背景となるテーマは〈アメリカ〉なのだそうだ。ほほう。細部も信じられないぐらいに凝っているようだし、いや初読で感想を書くのもためらわれるね(書いちゃったよ)。
 まあ若島先生の大胆な訳によるコギャル風のロリータの会話や、ドタバタですらあるクロい笑いに満ちた展開だけでも十分に楽しめたけどね。