若島正
乱視読者のSF講義 若島正 国書刊行会 発売日:2011-11-24 ブクログでレビューを見る» 現在日本で最も優れたSF読みの一人である若島正先生の評論集。もちろん素晴らしい一冊である。 全体は三つのパートから成り、1.SFマガジンで連載され一回一短篇を扱う…
光のロボット (創元SF文庫)バリントン・J. ベイリー東京創元社発売日:1993-11ブクログでレビューを見る» 『ロボットの魂』に続くさすらいのロボット<ジャスペロダス>を主人公とした作品。 ロボット技術が発達しているものの戦乱が続く不安定な未来社会。…
特集タイトルからちょっと面白そうだと思っていたが、なんと若島正選の「義眼」ジョン・キア・クロスが載っているということで、即購入。異色作家短篇集19イギリス篇の「ペトロネラ・パンー幻想物語」の作者であるが、そこの作品紹介で「義眼」についての言…
チェスなんてやったことないけれど、若島アンソロジーなら即買いだ。で、いうもでもなく大満足の面白本だった。まあチェスファンならさらに何倍も楽しめるのだろうけど。(○が特に楽しめたもの、エッセイは感想のみ、ダンセイニのチェス・プロブレムはさすが…
T T!!T T!!T T!!(G.T.じゃないよ、ってまたもやしょうもないダジャレで失礼・・・) 主人公は冴えない編集者ヒュー・パーソン。大作家の原稿の催促にスイスに向かうが、そこで美しい風変りな女性と出会う。 ・・・なんていうのはこの小説のごく一…
「頭をぶんなぐられたようなショックを味わう」、と若島正はいう。 フラナリー・オコナーは、紅斑性狼瘡(膠原病の一種)という難病に侵され、1964年に39歳の苦痛に満ちた生涯を終えたというアメリカ南部のカトリックの作家である。その作品は、当然キリスト…
永年のナボコフ研究者をして「よくわからない」と言わしめる謎の多い『ロリータ』について、新訳にあたったわれらが文学探偵若島正先生が詳細な謎解きを行う! ということだけれども、本書で解説されているのは原典のごく一部。(それでも一冊の本になってし…
異色作家短篇集は‘奇妙な味’ともよばれるように料理にたとえられることがある。様々な国の個性豊かな香味風味の調味料による料理のイメージ。そうしたことから、異色作家短篇集の掉尾を飾るアンソロジー三集のさらにトリが世界篇であるのは偶然ではないだろ…
アメリカ篇に比べると地味だなと思ったが、読んでいくうちに渋い味わいがこれまたなかなかに良く感じられるようになってきた。若島シェフの術中にはまったのかもしれない。あるいはオヤジ趣味がいよいよ強くなってきたのか(自分)。以下◎がおすすめ。「時間の…
1920年代アメリカ南部。自動車事故を起こして帰れなくなった女子大生とその彼氏が、助けを求めた廃屋には無法者がたむろしていてエライ事に・・・。 まあ著者が“想像しうる最も恐ろしい物語”というのも伊達ではないぐらい陰惨な話。いやあ不注意なんでちょっ…
異色作家短篇集まだまだ読み残しはあるけれど、若島印ということで、新アンソロジー第一弾に手を伸ばしてしまった。狼男アンソロジーかと一瞬思ったら違った。国別という区切りだった、そういえば。 元来移り気なので、一人の作家を徹底的に追いかけた記憶が…
あらすじを追う程度の初読だけど、やっぱり凄いわ。まずネタ自体が50年たった今でも(ある意味現代ではさらに)衝撃的だし、ハンバートのナルシスティックでグロテスクな自己弁護もまた十二分に恐ろしい。さらに若島先生自身の解説によると、背景となるテーマ…
トークショーの補足。当然ニューウェーブ(NW)といえば山野浩一先生で、そのSFマガジンでの作家の点数付け(!)や「NWすなわちno wonderである」(会場ではNW=つまらないの宣言か?などとツッコまれていた)といったキャッチフレーズについても話題になっていた。…
当ブログとしては絶対外せない企画、若島×大森トークショーに行ってきた。事前の告知では《実現不可能なアンソロジーも!?》って書いてあったが、それは対談中に登場した‘失敗作アンソロジー’のこと?(ちなみにそれはやっぱりリストすら出来なかったらしく…