『透明な対象』 ウラジミール・ナボコフ

 T T!!T T!!T T!!(G.T.じゃないよ、ってまたもやしょうもないダジャレで失礼・・・)
 
   主人公は冴えない編集者ヒュー・パーソン。大作家の原稿の催促にスイスに向かうが、そこで美しい風変りな女性と出会う。
 ・・・なんていうのはこの小説のごく一部、断片でしかない。いやまずこのスイス行きの前に一度父親と行っているとかその時にエライことが起こってるとかそういうことだけではない。もっともっとこの小説自体とんでもないことになっているのだ。
 一応自分なりに注意深く読んでみたのだが、ヒジョーに表層的な理解レベルでも精緻に作られているのはよくわかった。例えば登場人物の伏線とか(ただ正直なところヒューや登場人物たちに最終的に何が起こったのかまだよく分かっていないのだトホホ)。さらにさらに様々な謎がありそうだし。
 なんて思って、読後に巻末ノートやあとがきを読むと全然読み取れていなかった部分が際限なく出てくる。なんじゃこれは!(ちなみにノートはweb版のほうがずっといい。カラーの絵などがあるので)もちろん英語や仏語の翻訳困難の言葉遊びも加わる。
 ああなんてことだ。この忙しいのに。とんだことに付き合わされることになったぞ!<術中にはまってしまったようである

 山形浩生さんのボツになった朝日新聞書評が爆笑。えーと、でもそのリンク先はいちおうネタばれありってことで。いちおうってのは<ネタ>自体の総体がまったくつかめないからで、そうなると<ネタばれ>が何を意味するのかわからないのです。