ミステリー

『生ける屍』 ピーター・ディッキンスン

生ける屍 (ちくま文庫 て 13-1)著者 : ピーター・ディキンスン筑摩書房発売日 : 2013-06-10ブクログでレビューを見る» 主人公デビッド・フォックスは製薬会社に勤める生真面目が取り柄の研究者。上司の命令でとあるカリブ海の島に出張を命じられるが、そこは…

『覆面作家』 折原一

覆面作家 (光文社文庫)折原一光文社発売日:2013-02-13ブクログでレビューを見る» ひどい交通事故の後、療養中に妻にすすめられ執筆したミステリ『完全犯罪』が新人賞を獲得し一躍人気作家となった西田操だが、大火傷を負い歩行もできない車椅子生活の上に記…

メフィスト「追悼 殊能将之さん」を読んで

異能ミステリ作家殊能将之氏が2月11日に亡くなられていた。享年49歳。 ウェブ上のアーカイブで日記などを読み返している。音楽、アート、小説、料理などなど多岐に渡る上に深い知識と鋭い分析をキレのいい辛辣かつユーモアあふれる文章でつづられ時の経つの…

『ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜』 三上延

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)三上延アスキー・メディアワークス発売日:2012-06-21ブクログでレビューを見る» TV版でSFファンの注目を集めた『たんぽぽ娘』が収録されている巻。『たんぽぽ娘』自体は甘口でそん…

『ビブリア古書堂の事件手帖 2〜栞子さんと謎めく日常〜』 三上延

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)三上延アスキー・メディアワークス発売日:2011-10-25ブクログでレビューを見る» 1から続いてすぐ読了。読み易い上にドラマで話をおさえていたのでさらにサクサク読めてしまう。ウェ…

『ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』 三上延

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)三上延アスキーメディアワークス発売日:2011-03-25ブクログでレビューを見る»鎌倉の古書店を舞台にした人気ミステリ。既にテレビドラマ放映をしていて、読むのは後になった。基本…

鎌倉文人録7「ミステリー作家・翻訳家」@鎌倉文学館

外は大変な雪ですが。今日じゃなくて先日行った展覧会の感想を。 http://www.kamakurabungaku.com/exhibition/index.html ほぼ確実に展示が代わる毎に行っている鎌倉文学館だが、今回はミステリー系企画ということで、とりわけ見逃すわけにいかない。で、や…

『あるキング』 伊坂幸太郎

あるキング (徳間文庫 い 63-1)伊坂幸太郎徳間書店発売日:2012-08-03ブクログでレビューを見る» ちょっとした仕事の山場を終えて、どうしても本が読みたくなったが時間もないのでキヨスクで何か読むものをさがしていた。読めれば漫画やスポーツ雑誌でも良か…

SHERLOCK第2シーズン

現代版シャーロック・ホームズ、BBCの‘SHERLOCK’第1シーズン分からNHK-BSプレミアムで放送していたので観たら評判通り面白かった。 現代版にするにあたって携帯やネットを駆使する内容になり結構大胆にストーリーの方も作り直しているようだが、しっかり原作…

『開かせていただき光栄です』 皆川博子

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)皆川博子早川書房発売日:2011-07-15ブクログでレビューを見る» 18世紀ロンドンの外科医ダニエルは才気あふれる門下生たちとともに解剖研究に勤しむ日々。そんな彼の解剖教室か…

『アンドロギュノスの裔 渡辺温全集』 渡辺温

アンドロギュノスの裔 (渡辺温全集) (創元推理文庫)渡辺温東京創元社発売日:2011-08-30ブクログでレビューを見る» 裔(ちすじ)と読むのか。1902年生まれ、日本探偵小説界黎明期に短い生涯ながら鮮烈な足跡を残した渡辺温の全集。小説、掌篇、脚本、翻訳・…

『長い長い殺人』 宮部みゆき

長い長い殺人 (光文社文庫プレミアム)宮部 みゆき光文社発売日:2011-07-12ブクログでレビューを見る» 保険金殺人の容疑者である華やかな男女のペア。確たる物証もなく捜査に苦労する警察を尻目に、マスコミによる報道は過熱の一途をたどる。渦中の二人は身…

『リアル・スティール』 リチャード・マシスン

リアル・スティール (ハヤカワ文庫NV)リチャード・マシスン早川書房発売日:2011-10-14ブクログでレビューを見る»ぼくらのマシスンの短篇集がまたやってきた!ということなんだけどわりとこれ変化球。「リアル・スティール」 再読。『運命のボタン』では「四…

『ルピナス探偵団の当惑』 津原泰水

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)津原 泰水東京創元社発売日:2007-06ブクログでレビューを見る» ルピナス学園の女子高生たちが殺人事件の謎解きをするシリーズ。「冷えたピザはいかが」 我が強く敵の多い作家が殺害された。現場に残されたピザの空き箱…

『犯罪』 フェルディナント・フォン・シーラッハ

犯罪フェルディナント・フォン・シーラッハ東京創元社発売日:2011-06-11ブクログでレビューを見る» 話題本。ベルリンの高名な刑事事件弁護士が現実の事件を元に書いたデビュー作にして本国でベストセラーになったという短編集。基本的に予備知識なしの方が…

『11 eleven』 津原泰水

11 eleven津原 泰水河出書房新社発売日:2011-06-16ブクログでレビューを見る» 待ってました!11の不思議な世界に誘ってくれる圧倒的な短編集。ひとつひとつけして長くはないのにバラエティ豊かで濃密な作品ばかりで、しかもどれをとっても著者ならではと感…

『幻のハリウッド』 デイヴィッド・アンブローズ

幻のハリウッド (創元推理文庫)デイヴィッド アンブローズ東京創元社発売日:2003-11ブクログでレビューを見る» ハリウッドをテーマにした奇妙な味系の短編集。純然たるミステリばかりではないけど、ミステリマガジンに載って違和感のない作品が並んでいるの…

『隻眼の少女』 麻耶雄嵩

隻眼の少女麻耶 雄嵩文藝春秋発売日:2010-09ブクログでレビューを見る» 独特な信仰が息づく栖刈(すがる)村で起こる殺人事件。解決を依頼されたのは巫女装束をまとった隻眼の美少女探偵御陵(みささぎ)みかげ。わけありで村を訪れ事件に巻き込まれた種田静馬…

『13時間前の未来』 リチャード・ドイッチ

13時間前の未来〈上〉 (新潮文庫)リチャード ドイッチ新潮社発売日:2011-02-26ブクログでレビューを見る» 愛する妻が殺され、しかも殺害の容疑者にされてしまった主人公が謎の男から奇妙な話を持ちかけられる。時間をさかのぼって1時間ずつ12時間までやり直…

『ミステリウム』エリック・マコーマック

ミステリウムエリック・マコーマック国書刊行会発売日:2011-01-25ブクログでレビューを見る»奇想短編集『隠し部屋を査察して』で知られるマコーマックのミステリ長編。主人公マックスウェルは新聞記者見習いの学生。ブレア行政官からの依頼で、軍に封鎖され…

『モルグ街の殺人事件』 エドガー・ポー

モルグ街の殺人事件 (新潮文庫)エドガー・アラン・ポー新潮社発売日:1951-08ブクログでレビューを見る» 古典中の古典を読んでみた。古い方の訳本。「モルグ街の殺人事件」ミステリのはじまりである作品だが、事件解決への論理展開は少々難解なところもあっ…

ミステリマガジン2011年3月号特集ベスト・オブ・ベスト・ショートストリーズ

ミステリマガジン3月号は短篇特集。ということでいそいそ買ってきて読んだので特集短篇の感想。今回の特集は名作短篇とそのトリビュートもののペアが並ぶ。「女か虎か」フランク・R・ストックトン「異版 女か虎か」アブラハム・ネイサン 前者は究極の二択もの…

『エステルハージ博士の事件簿』 アヴラム・デイヴィッドスン

エステルハージ博士の事件簿 (ストレンジフィクション)アヴラム・デイヴィッドスン河出書房新社発売日:2010-11-16ブクログでレビューを見る» 不思議な小説である。 時は19世紀と20世紀の変わり目、東欧の架空の小国で起こる常識外の不可思議な8つの事件を、…

ミステリマガジン2011年2月号

というわけで特集短編だけ読了。チャールズ・ボーモント「ホラー映画の恐怖」(エッセイ) これは既に言及したけど訳者に思わずニヤリ。レイ・ラッセル「これは本心からいうんだぞ」 売れないシナリオライターに舞い込んだおいしい話とは。映画がらみハリウッ…

ボーモント祭り(プチ)

ミステリマガジン2月号は特集‘PLAYBOYが輝いていた頃’。特集のタイトルをtwitterで目にして、以前からPLAYBOY誌に載っていた短編を高く評価していた若島正先生によるものかなあとすぐに思ったがその通りだった。まだ読み始めたばかりだが、ボーモントによる…

‘The City & The City’ China Mieville

The City and the CityChina MievillePan Books発売日:2010-01-01ブクログでレビューを見る»追記 以下ネタに触れてるので一部色を変えます。→ 予備知識少なめで挑戦したが撃沈。というわけで洋書で困ったときはめっちゃ頼りになる(いろんな名前を持っている…

瀬名秀明のクーンツ入門

翻訳ミステリーシンジケートに瀬名秀明先生の熱いクーンツ紹介文が登場。 こういう紹介者の情熱が伝わってくる文章好きだなあ。燃えるよなあ(萌えるじゃなく)。クーンツは全く読んでいないんだけど、めちゃくちゃ読みたくなってくるよ。瀬名先生って写真とか…

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)乾 くるみ文藝春秋発売日:2007-04ブクログでレビューを見る»話題の本、遅ればせで読了。ぼんやり読後したらよく意味が分からず、いろいろ本のあちこちを参考してようやく仕掛けに気づいた。で騙されたんだけど、ものすご…

『バッキンガムの光芒 ファージング?』 ジョー・ウォルトン

さてファージング最終巻。 今回の舞台は1960年。相変わらず抑圧されたイギリス。主人公カーマイケルは監視隊(イギリス版ゲシュタポ)の隊長になっている。もう一人の主人公はそのカーマイケルが後見人になっている18歳の娘エルヴィラ(なんとカーマイケルがお…

『裁くのは誰か?』 ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ

あっと驚くビックリミステリ『嘲笑う闇夜』の名コンビによる作品。一説にはバカミステリとも呼ばれており積読状態だったがふと手に取った。『嘲笑う〜』もあっけにとられたがこれも参りました! 任期終盤を迎え急速に支持率を失いつつあるニコラス・オーガス…