『裁くのは誰か?』 ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ

 あっと驚くビックリミステリ『嘲笑う闇夜』の名コンビによる作品。一説にはバカミステリとも呼ばれており積読状態だったがふと手に取った。『嘲笑う〜』もあっけにとられたがこれも参りました!

 任期終盤を迎え急速に支持率を失いつつあるニコラス・オーガスティン米大統領。再選を目指す彼の目前には諸問題が山積。周囲のスタッフの思惑が絡み合う中、殺人事件が!真犯人は?そして彼を待ち受ける運命とは。

 忠実な警護官ジャスティス、悩める参謀役ハーパー、ニコラスに大きな影響力を持つ妻クレア、その秘書エリザベス、お手上げ状態の報道官、折り合いの悪い司法長官などなど個性的な人物が登場。数種の語り手によって話がすすむが、その中でサイコな匂いがぷんぷんする<われわれ>によって殺人の遂行が予告され不穏な空気が高まる。で、最後に聞いてないよー的大きなどんでん返しが待っているのだ。いやーこうきたかー。『嘲笑う〜』を以前読んでいたので、似たような結末かなと思っていたが、まんまと騙されたよ。そのれもそのはず、こちらが合作長篇の2作目で後だから、既視感を上手く利用されたかも。ということで偶然だが順番通り読んで良かった。
 さてこの小説で繰り返し登場するのが危険な鉄道工事を担っていた人夫を歌った民謡‘ジョン・ヘンリー’。強くハンマーを打ち続け終いにハンマーで命を落としてしまう、という内容らしい。ブルース・スプリングスティーンバージョンを以下に。



ブルースバージョンもあった。ミシシッピ・フレッド・マクダウェルよく知らなかったが、ストーンズに影響を与えたのも分かるな。