ミステリー
久々のクラニー先生。「目指すは、バカミス界の小林幸子」という著者自身のあおり文句にヤられて購入。いやびっくりしたなもう。 謎の組織に属するシンディ。ボスの指令に従いニューヨーク、ロンドンを股にかけ、殺人を犯している。瞬間移動で犯行を成し遂げ…
出先で読む本が無くなったので、購入。直木賞を取った『鷺と雪』と同じ主人公のシリーズらしい(本書はシリーズ第二弾)。まだ読んだのは2冊目だけど世評通り力量のある作家だと感じる。 昭和初期。主人公は上流階級の好奇心旺盛なお嬢さん。(なぜか)博識で頭…
ごぶさたです(笑)。 忙しくてなかなか更新出来ないのだが、とにかくこのファージングは面白い!そろそろ出る?が楽しみ。長尺ものを刊行のペースに合わせて読むなんて自分じゃ珍しいよ。 ナチスドイツとの講和を成し遂げた政治集団ファージング・セットに支配…
噂を耳にして購入。現在忙しくてなかなか読書がはかどらずまたちょっとでも長いものはそれだけで苦手なのだが、さすがにこれは面白そうなので読むことにした。1941年ナチスドイツとイギリスが講和条約を結んだ世界を舞台にしたという歴史改変本格ミステリ三…
ミステリマガジンの8月号は‘異色作家の最新潮流’(ビザーロ特集)。ビザ―ロのことは全く知らなかったのだが、翻訳家の宮脇孝雄氏によるとスプラッタパンクとの関連があるのではないかとのこと(マシスン、バーカー、ランズデールらの名が挙げられている)。奇…
以前から気になっていたマイクル・コナリーの人気シリーズ、“ハリー・ボッシュ”。老後に取っておこうかと思っていたが(笑)、とにかく面白いものを読みたくなったので手に取った。なるほどこれは評判通りで、まさに巻を置く能わず。大満足。 ロス市警のハリ…
古本屋や古本市によく行くといったって、買うのは自分が昔新刊で買い損なった本でせいぜい30年くらい前のもの。本書に登場する様なディープな古本の世界など全く未知のものだ。いやー古本の世界も奥が深いのう。 文筆業を営む語り手‘私’の友人、華族出身の古…
少ーしずつ読んだから、読了までに約2年ぐらいかかってしまった『<新パパイラスの舟>と21の短篇」。テーマ別のミステリに関するエッセイとそれぞれにおまけの短篇がつけられた小鷹信光による何とも贅沢な一冊。 昔掲載された文章がそのまま載せられていて…
以前感想を書いたものの続篇。やっぱりあの手この手で飽きさせない。「マンハッタン・マンハント」 新しい興奮剤を発明した天才医師に犯罪傾向あり、というこで星野はニューヨークへ。新薬をめぐる陰謀があるのか?派手なアクションが楽しい作品。「空白に賭…
原書。随分時間がかかったがなんとか読み終えた。少しずつで結局4か月くらいかかったかなあ。 シャーロック・ホームズの最初の作品らしい。ホームズとワトスンの出会いも書かれているから歴史的な作品だろう。伊藤計劃の「屍者の帝国」(絶筆)でも、この作…
大作家なんけどまだあんまり読んでいないので、日頃からもっと読まなきゃと考えている人。これはミステリ。 平凡な地方都市カーメル市で23年間週刊紙を発行してきたドック。売り上げに特に問題はなかったのだが、一度でいいから特ダネをモノにしてみたいとい…
以前から観直したかった『刑事コロンボ』、なかなか機会を得られなかったのだが、今週たまたま観たらドラマ終了後に「私が愛した『刑事コロンボ』」と題して2回に渡って、対談番組が行われていた。出演者は関根勤、三谷幸喜、デーブ・スペクター。 コロンボ…
ミステリの古典もいろいろ読んでみたい気持ちはあり、積読していたこれに手を伸ばした。今となると警察がオープンすぎたりおおらかな展開だが、楽しめた。 裕福なイギリス婦人イヴ・ニールは浮気をした夫ネッド・アトウッドと離婚したが、ネッドにはしつこく…
変な作品だなー。でもなかなか印象的でユニーク、ミステリのいろんなオールタイムベストに挙げられているのもわかる。 主人公の詩人ガブリエル・サイムは同じく詩人で無政府主義者のグレゴリーとディスカッションをしていたが、やがてグレゴリーに連れられ、…
都筑道夫、面白そうと思いながらあまり読んでいない。昔中学生ぐらいの頃、新聞の日曜版(巡回してみると朝日のようだ)にSF作家やミステリ作家のショートショートが交代で連載されていて、毎週楽しみにしていた。とにかくハズレの作品が無かった記憶があ…
途中まで読んでそのままになっていたことに気づいて、ようやく読了。『カリブ諸島の手がかり』のポジオリ教授シリーズ(講師だったり肩書は、あいまいのようだ)。そういえば今年も夏に読もうとしていたんだっけ。あっさり季節が過ぎてしまった。「ベナレス…
直木賞受賞記念で初めて読んでみた(これだけ有名な作家でもこんな読者がいるんだからやっぱり作家にとって賞というのは大きいんだろうなあ)。期待通りの面白さでありました。 主人公は読書にふけってばかりの十九歳の女子大生。身の回りのちょっとした事件や…
昨年末から出ている<少年探偵>シリーズの懐かしい装丁での文庫版。以前から気になっていたのだが、今回初めて購入。表紙の絵は柳瀬茂(今まで意識してなかったけど)で、もうこの絵柄だけでいろいろ思い出す。多くのミステリやSFファンのご多分にもれず、こ…
作者の代表作の一つで、日本推理作家協会賞受賞作。 主人公はアフリカの呪術研究で有名人になった大学教授大生部多一郎。以前フィールドワーク中に事故で娘を失った過去があり、それからアルコール依存症になってしまった。マスコミの寵児である彼は、超能力…
読む本が突然無くなると動揺をして我を失い発作まで起こす活字中毒者は後を絶たないようだが、その境地にはいまだ達していないものの、先日職場に読みかけの本を置き忘れて帰宅途中に読む本が無くなって困った(長距離通勤者なので)。幸いにも本屋が近くにあ…
夏恒例ミステリマガジンの<幻想と怪奇>はポー特集。大昔SFしか読んでいなかった頃、ポーを読んでよく分からなかった記憶がある程度だが、NHKの特集番組「エドガー・アラン・ポー200年目の疑惑」をみたりして、ようやくながら興味がわいてきた。オマージュ…
知る人ぞ知る名短編集の復刊である。とはいえ、再刊されるまで本書のことはあまりよく知らず、19世紀中頃の早世した作家であることも今回初めて知った。特に古い小説の読書経験値が乏しい当ブログ主には、19世紀というと以前読んだ『ディケンズ短編集』ぐら…
ミステリチャンネルの‘闘うベストテン2008’をみた、ということで『ディスコ探偵水曜日』に触れたので、いったいどんな作品かなーと思って手に取ったが運のつき。『煙か土か食い物』しか読んでいない自分には相当な難物であった。しかし何はともあれとんでも…
十角形という異様な形をした屋敷のある孤島。その島では半年前陰惨な殺人事件がおこっていた。とあるミステリ研の面々が好奇心から1週間泊まるが、次々と殺人事件が。 端正なつくりで、これがデビュー作とは。犯人はまたまた意表をつかれたな。前半部のアレ…
悪名高い<心底いやな話>である。実に怖ろしいことに実話が元になっている。 舞台はアメリカの片田舎、主人公デイヴィッドは美しい少女メグと友達になる。隣同士と分かって胸をときめかせるが、転居して来たメグには悲しい過去があり、隣家では辛い立場に置…
子供の頃の事故をきっかけにロートレックのように下半身の成長が止まってしまった主人公。事故を起こした仲の良い従兄弟とは、それをきっかけにより絆を深める。28歳になった二人は、奇しくもそのロートレックの作品が飾られた洋館に招かれることになるが、…
さて海野十三を遅ればせながら今回初めて読んでみた。少年向けのものやスパイもの戦争ものなど多くの作品があるのでこの一冊だけで何かをいうのもなんだが、科学的なアイディアを中心にすえた時に乱歩に似た官能的猟奇的なSFミステリを集めたこの短編集は初…
まだ暑さが抜けきらないこの頃、南洋を舞台にした変わったミステリが文庫化されたとあればちょうどいい。というわけで、衝撃の結末が待っているという噂の「ベナレスへの道」が収録された『カリブ諸島の手がかり』。訳者はあのクラニー先生である(当然にして…
<小市民>シリーズ第一作の方も読了。 過去のトラブルを悔い、高校入学と同時に<小市民>になろうとする同志小鳩くんと小佐内さんだったが、何故かトラブルに巻き込まれる。 第一作も自転車泥棒からはじまりあくまでも身近な高校生の生活圏を舞台にしなが…
ブックオフにあったのでシリーズ2作目からになってしまったが初めてこの人気作家の作品を読んだ。なるほど面白いですね。青春小説とミステリーのフォーマットを生かしながら、なかなか読後に余韻が残るものだ。 小市民として日々を送ろうと決意した変な同志…