ミステリー
基本的に短編集が好きなのだが、特にいろいろな作家のものが入った良質のアンソロジーは、様々な味が楽しめるバイキング料理のようなところが嬉しく、なんだか得をした気分になる。中でも中村融さんのコースは大層美味で、ご存知の通り評判が高い。さて今回…
時々びっくりしたくて無性にミステリー(新本格とか)を読みたくなることがある。その場合びっくりするのをあらかじめ期待して本を手に取るわけで、びっくりしないとがっかりすることになる。もっとびっくりさせてくれ!もっとだ!という要求に応えなくてはい…
catalyさんのところで驚くべき情報を目にして、野性時代 第54号を購入(私的には大判で平井和正が載ってた頃以来か。四半世紀ぶり?)。さっそく法月綸太郎先生の「ノックス・マシン」を読む。 いやー直球のSFではないですか。近未来が舞台なんだけど、小説…
いろんな古典を読んでみるシリーズ。今回はミステリの古典。 庭に矢の刺さった死体!そこに置かれたマザーグースの一節。そしてマザーグースの唄に合わせて次々と起こる怪奇連続殺人!難事件にファイロ・ヴァンスが挑む! なかなか面白かった。童謡による見…
第二次大戦ナチス・ドイツ支配下のオランダ。ユダヤ人歌手ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は爆撃で隠れ家を失い、レジスタンスの男の指示でナチスから解放された南部へ逃亡をはかる。逃げるための舟になんとか乗り込むと離れ離れになった家族も乗り合わせ…
先週末に地元で夏祭りがあり、その片隅で古本市をやっていた。 もちろん小規模なものだが、覗いてみて驚いた。 SFの神が降りたのである。 とはさすがにおおげさにしても、ハヤカワSFシリーズなどや古いSFが30冊ほど。なかには『隠生代』『奇妙な触合い…
読みやすいものをさらっといきたくなり、宮部みゆき本を(とはいってもこれまで『理由』しか読んだ事はなかたけど)。 杓子定規なジャンル談義をするとこの本は本格ミステリ、時代小説、ホラー/ファンタジーのジャンルにすっぽり納まるようなものではない。…
秀逸な恐怖小説集。1920−30年代の英国人気作家だが、基本的には心理劇側面が強く、一見超常的な事件が起こっても出来事の真相はその通りか判然としない(心理の反映のようにも読める)。そうした手法が時代を超えてストレートにこちらの背筋を寒くさせる。以下…
『狼の一族』で読んで以来ジャック・リッチーが気になっていたので、短編集に手を出した。解説では‘クールな魅力’とあるが、そうした冷たい感じよりもむしろ親しみやすいとぼけた味わいが感じられ、それが人気の理由だと思う。いずれにしても肩の凝らないカ…
欲望のおもむくまま好奇心のおこるがまま、ヤバイ稼業にも平気で首を突っ込む自称「何でもやってやろう屋」元私立探偵の成瀬将虎(トラ)。裕福な久高家のおじいさんが霊感商法をめぐって謎の死を遂げて、トラと同じフィットネスクラブに通う久高家の愛子はト…
引き続き新本格。 鎌倉の山に立つ時計マニアの館、時計館(百八もの時計コレクションで埋め尽くされているのだ!)。主人公江南孝明はその家で10年前に死んだ少女の交霊会の取材をしに行くのだが・・・。 奇妙な館、交霊会、密室連続殺人、孤島もの(交霊…
京都市郊外に聳える洋館蒼鴉城を舞台に、謎めいた今鏡家に起こる連続殺人事件。二転、三転する展開。果たして真犯人は!? これがデビュー作とは。いきなり相当無茶な話になってます(笑)。実はミステリ経験値が非常に低いのでツイストが続くと疲れちゃうんだけ…
あけましておめでとうございます。本年もおつきあいをいただければ幸いです。 新春第一弾はコレ!いやいや早々にエグイものを読んじまった・・・。 というわけで、残酷な描写や気色の悪い表現をお好みにならない方はこの本を御避けください。 執拗な暴力残虐…
おお映画と違うではありませんか(どの辺かは一応書かないようにしとく)。終盤のエグい描写はいくらなんでもそのまま劇場映画にはちょっとね。バッキーの昏い部分も強烈に描かれているところもなかなか。エリザベスのフィルムを皆でみるシーンは原作にもある…
熱心な映画ファンとは口が裂けてもいえない当ブログ管理人だが、ブライアン・デ・パルマは自分の中では好きな監督に属する(とはいっても劇場で観たのは6作)。初めて観たのは‘殺しのドレス’。華麗な映像テクニックと変態性あふれる作風にやられ、トラウマにな…
たまには本格ミステリ。とあるオカルト探検サークルの面々が、好事家のOBの招きで、過去に連続殺人がおこった人里離れた洋館で合宿をすることになった。そこには(おやくそくどおりに)嵐がやってきてメンバーらは孤立、そして(もちろん)殺人事件が。誰がど…