『時計館の殺人』 綾辻行人

 引き続き新本格
  鎌倉の山に立つ時計マニアの館、時計館(百八もの時計コレクションで埋め尽くされているのだ!)。主人公江南孝明はその家で10年前に死んだ少女の交霊会の取材をしに行くのだが・・・。
 奇妙な館、交霊会、密室連続殺人、孤島もの(交霊会の参加者たちが閉じ込められてしまうのだ)とサーヴィス満点の作品。閉じ込められた主人公らは旧館にいるのだが、探偵役がいる隣接した新館での話も並行して書かれている構成が緊迫感を高めている。そして驚愕の真相と豪快なラスト。いやあすごいアイディアだなあ。まあこれまた無茶苦茶とも言えるけど、素直に脱帽。