『斜め屋敷の犯罪』 島田荘司

 時々びっくりしたくて無性にミステリー(新本格とか)を読みたくなることがある。その場合びっくりするのをあらかじめ期待して本を手に取るわけで、びっくりしないとがっかりすることになる。もっとびっくりさせてくれ!もっとだ!という要求に応えなくてはいけないのだからミステリー作家も大変である。というわけで、本書びっくり度はまあまあぐらい。
 
 北海道最北端、宗谷岬の高台に斜めに傾いて建つ奇妙な形の洋館。その館で主人が開いたクリスマス・パーティの夜、密室殺人事件が起こる。そして・・・。

 有名な作品でちょっと期待しすぎたかな。トリックは大仕掛けで、見事にはまってるんだけど、個人的にはもっと変だったり無茶だったりした方が好きかな。いや『占星術殺人事件』には腰を抜かしましたけど。本作もまずまずびっくりはしましたよ。

追記:途中でジャンピング・ジャック・フラッシュ(ローリング・ストーンズの名曲)という言葉が出てくるので、調べた。曲名の由来に定説はなさそうで、Jumping Jackは操り人形を意味するが、その後のflashは単に響きでつけたした感がある。本書でジャンピング・ジャック・フラッシュと記載されているのは、ストーンズを意識してか、他に理由があるのか・・・よく分からなかった。