日本SF
話題の新人による同じ設定を背景にした遠未来SF連作短篇集。表題作は第二回創元SF短編賞受賞。ちなみに作者はデザイナー兼イラストレーターで本文中の挿画も本人。 無理矢理一言で言えば、黒丸訳(ま、他は無いんですが)ニューロマンサーや誤変換を連想させ…
ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)著者 : 宮内悠介早川書房発売日 : 2013-05-24ブクログでレビューを見る» 空から少女ロボットが降る近未来。閉塞状況の続く世界各地で人々は。 デビュー時からSFジャンルを越えて幅広い支持をあ…
第九の日 (光文社文庫)著者 : 瀬名秀明光文社発売日 : 2008-12-09ブクログでレビューを見る» ケンイチくんというロボットを主人公にしたシリーズ。中心となる『デカルトの密室』がまだ未読なので多少作者の問題意識を把握し切れていない気もするが、連作短篇…
Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫JA)藤井太洋早川書房発売日:2013-04-30ブクログでレビューを見る» 拡張現実と遺伝子工学の技術が進歩した近未来。遺伝子デザイナーである主人公は、自ら設計した稲がトラブルを起こした可能性があるとの報告を受け、…
拡張幻想 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)東京創元社発売日:2012-06-28ブクログでレビューを見る»2011年版の年刊SF傑作選。以下印象に残ったもの。「宇宙で一番丈夫な糸 ―The Ladies who have amazing skills at 2030.」小川一水 著者らしいポジティヴさが…
虚航船団 (新潮文庫)筒井康隆新潮社発売日:1992-08ブクログでレビューを見る» 文房具軍団が鼬の星を襲うというSFオールタイムベストにも選出される名作だが・・・。登場人物、ではないな登場道具・動物がやたら多く、文章で表現できる虚構の世界を限界まで…
屍者の帝国伊藤計劃河出書房新社発売日:2012-08-24ブクログでレビューを見る» 故伊藤計劃による冒頭部分だけが残された作品を盟友・円城塔が長篇として完成させた本年国内SF最大の話題作。 フランケンシュタイン博士による屍者復活の技術が世界的に広がった…
道化師の蝶円城 塔講談社発売日:2012-01-27ブクログでレビューを見る» 第146回芥川賞を受賞。円城塔は主にSF畑を中心に活動を開始し、トークショーやイベントでもたびたび見かけている方だけになぜか自分のことのように嬉しくなってしまった(いつも礼儀正し…
希望 (ハヤカワ文庫JA)瀬名 秀明早川書房発売日:2011-07-08ブクログでレビューを見る» 瀬名秀明の第一短篇集(連作を除く)。どちらかというと落ち着いた科学者作家といったイメージが強い著者だが、挑発的でチャレンジ精神に富んだ熱い一面を感じさせる一冊…
<マインド・イーター[完全版] (創元SF文庫) 水見 稜 東京創元社 発売日:2011-11-19 ブクログでレビューを見る» 宇宙に進出した人類を待ち受ける存在マインド・イーターは不治の病を引き起こしその行く手を阻む。強力な敵に人類は絶望的な戦いを挑むが・…
殺人者の空 (山野浩一傑作選?) (創元SF文庫)山野 浩一東京創元社発売日:2011-10-28ブクログでレビューを見る»創元SF文庫の山野浩一傑作選の2冊目(2冊で終了)。「メシメリ街道」 恋人の家に行こうとしたら謎の道路が出現。多少シンプル過ぎるがかみ合わな…
鳥はいまどこを飛ぶか (山野浩一傑作選?) (創元SF文庫)山野 浩一東京創元社発売日:2011-10-28ブクログでレビューを見る»日本のニューウェーヴSFの核でありながら、なかなかその作品をまとめて読むことの出来なかった山野浩一作品がなんと2冊しかも文庫と…
きつねのつき北野 勇作河出書房新社発売日:2011-08-25ブクログでレビューを見る» 何らかの災厄で平和な生活が一変した町で暮らす一家を描いた連作長篇。 まあSF的な設定が背景にあるのだが、それは読んだりどこかで検索すれば分かるのでどうぞ(笑)。個人的…
華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)上田 早夕里早川書房発売日:2010-10-22ブクログでレビューを見る» 大きな地殻変動により多くの陸地が水没した25世紀の地球。危機を乗り越えた人類は陸上民と海上民に分かれている。しかし魚舟と呼ばれる海洋…
NOVA 2---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)東 浩紀,恩田 陸,法月 綸太郎,宮部 みゆき,神林 長平,倉田 タカシ,小路 幸也,新城 カズマ,曽根 圭介,田辺 青蛙,津原 泰水,西崎 憲河出書房新社発売日:2010-07-02ブクログでレビューを見る»先にNOVA3を読ん…
NOVA 3---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)大森 望河出書房新社発売日:2010-12-04ブクログでレビューを見る»とり・みきの万物理論が入ってることを知り、NOVA2をとばしてこちらを先に。これも読み応えのある作品が並んでいる。「万物理論[完全版]」…
ドイツの音楽大学ヴァイオリン科助教授である主人公の元に、友人からある新進のオルガン奏者の演奏を評価できる人物を紹介して欲しいとの依頼があった。高名なオルガン科の教授とは友人であった彼の天才的な弟子を通じて以前交友があった。しかし、いまや失…
肩の凝らないSFを読みたくなり、ドラマ化もされてすっかり知名度も上がった本作を手にした。知らない方のために念のため書いておくと、怪獣が暴れそれを特殊部隊が退治すというウルトラシリーズの世界観を現代風にリメイクした作品。基本的には一話完結の連…
以前感想を書いたものの続篇。やっぱりあの手この手で飽きさせない。「マンハッタン・マンハント」 新しい興奮剤を発明した天才医師に犯罪傾向あり、というこで星野はニューヨークへ。新薬をめぐる陰謀があるのか?派手なアクションが楽しい作品。「空白に賭…
書き下ろし日本SFコレクションである。一昨年あたりからまた少し現在の日本SFを読み出したような人間にとって、こうしたアンソロジーは有難い。短篇好きだし。(以下特に面白かったものに○)「社員たち」北野勇作 敵の攻撃によって沈んでしまった会社を掘…
これはキタね。華麗で変幻自在の語りと新鮮なアイディアで、評判通りの傑作。元々評価の高い作家だが、今回はSFファンにもその存在を十二分に知らしめただろう。 造形家の木根原の当時7歳だった娘・理沙が海辺で溺れ昏睡状態になって9年。創作意欲は減退、パ…
第30回日本SF大賞に伊藤計劃さんの『ハーモニー』が選ばれたようだ。 これによって喪失感が埋められるわけではないけれど、願わくば伊藤計劃さんの本がもっといろいろな人に読まれますように。
都筑道夫、面白そうと思いながらあまり読んでいない。昔中学生ぐらいの頃、新聞の日曜版(巡回してみると朝日のようだ)にSF作家やミステリ作家のショートショートが交代で連載されていて、毎週楽しみにしていた。とにかくハズレの作品が無かった記憶があ…
神林長平がデビューしたころにSFマガジンを読み始めているから、初期(ごく初期)はよく読んでいた。思春期をテーマにした『七胴落とし』なんか高校生だったから随分とはまった。ただその後はほとんど読まず、たぶん20数年ぶりになる。この雪風のシリーズ…
ふと書店で真っ白な装丁が目に入って購入。力作である。 近未来、ナノテクノロジーによって疑似神経技術が発達し、感情や思考を記録する言語ITPや人工知能が開発される。その先端技術を一手に担う企業のオーナーである主人公サマンサは研究に没頭する日々の…
2007年の日本SFベスト『虚構機関』に続いて、無事に2008年版の『超弦領域』が登場。して早2か月、ようやく読了。全体の感想は後で。○が特に面白かったもの。※追記9/7 うわ「One Pieces」が抜けてたよ!慌てて入れる。「ノックス・マシン」○法月綸太郎 機械に…
うおぶね・けものぶね、と読むらしい。日本SF作家の新人賞として小松左京賞と日本SF新人賞があって、いずれも順調に回を重ねているけど、実は受賞作家の作品をあんまり読んでいない(特に後者)。元々日本SFは子供の頃から親しんできたので興味はあるのだが、…
筒井康隆による『日本SFベスト集成』で育った世代としては、嬉しい本の登場である。SF以外のものや漫画などが入っていたのが『ベスト集成』の特徴だったし、その辺の切り口が刺激だったので、その路線を踏襲するというのは大歓迎。しかも創元文庫からという…
『虐殺機関』同様大変面白かった。 21世紀になって大量に造られた新型の核弾頭は、2019年に北米を中心とする英語圏での大暴動<大災禍>により、第三国家に流出した挙句、結局世界各地の紛争に使用されてしまった。その後に未曾有の癌・ウィルス感染などの危…
集英社文庫の広瀬正小説全集、随分昔『マイナス・ゼロ』だけ読んで他はいつか読もうとか思っていたら、いつのまにか手に入りにくくなって困ったなあとかいってるうちに、いつのまにか復刊された。今度は手に入りやすいうちになんとかしようということで、本…