2006-01-01から1年間の記事一覧

映画‘カポーティ’

映画‘カポーティ’を初日から観にいった。(とりあえず観にいくのに多少時間のかかる地域に住んでいることを告白しておく) 正直客の入りは初日にしては今ひとつ。うーん大丈夫なんでしょうか。 で、肝心の出来なのですが可もなく不可もなくといった感じ。フィ…

『夜の旅その他の旅』 チャールズ・ボーモント

異色作家、という言葉のイメージにぴったりの作家だろう。多ジャンルが混在した作品、TVシリーズ《トワイライト・ゾーン》の中心脚本家、アンソロジストでもあり、精力的な活躍の最中に若年性アルツハイマーでわずか38歳で逝去という劇的な生涯。 本書その…

クレイジーケンバンド!!!

♪さあのうずは今 GALAXY中♪CKBです。今回も最高です。何を書くことがありましょうか。ヨコハマ出身のファンク好きとして、同時代に生きる喜びをひしひしと感じます。いつも有難う!

『グラックの卵』 浅倉久志編訳

これは嬉しい♪肩の凝らないユーモアSFが並んでおり、楽しい。楽しいんでひとつひとつコメント。「見よ、かの巨鳥を!」 宇宙から巨鳥が飛んでくるというそのまんまの豪直球バカSF。 50年代なのに不思議と古く感じない。「ギャラハー・プラス」 酔った時だけ…

『グリュフォンの卵』 マイケル・スワンウィック

全体的に、ジャンル意識と(イラク戦争に異を唱え署名運動した)良識派の信念が感じられる短編集。自分としては、プラス卿とダージャーのコンビのスチーム・パンク風ピカレスク「犬はワンワンと言った」と〈マルコビッチの穴〉風の前半から壮大なSFになる「時…

『壊色』 町田康 と ひでお

町田康ははじめて読む。友人からもらったのだがいったいどんな人間と思われているのか。それはともかくも散文のような詩のようなミュージシャンらしいリズム感のある文章が並ぶ。無理やり分けるとすれば第一章と第二章はエッセイ、第三章は日記、第四章は・…

移動中です

ただいまブログ移動中・・・ 移動完了です!意外とメンドいですね。さて不具合などなければよいのだが。追伸:←象の鼻あります

『ページをめくれば』 ゼナ・ヘンダースン

名前をひらがなに変えました(深い意味はありません)。 ゼナ・ヘンダースンといえば「なんでも箱」だが、初読時にはよくある話でさほど傑作とは思えなかった。その頃は誰に言われたわけでもないが、とんがったものや小難しいものを評価している方が何となく…

『夜の樹』 トルーマン・カポーティ

美しく儚く歪んだ世界。ほとんどが20代前半で書かれているのが信じられない。作品の完成度もそうだが人間の暗い部分に対する底知れぬ洞察力がとても若者のものとは思えない。 「ミリアム」「夜の樹」にはいずれも孤独な女性の静かな時間をおびやかす侵入者が登…

インスタントストア、〈ダーク・ファンタジー・コレクション〉

左上とプロフィールページにamazonのすすめでインスタンストアとやらをつくってみた。なんだかうまくいかないなあ。 それはそうと、渋ーい海外ミステリのシリーズ(読んだことないけど)で知られる論創社から当ブログを震撼させるコレクションが!こ、こ、これ…

『トルーマン・カポーティ』『叶えられた祈り』

トルーマン・カポーティ〈上〉 〈下〉 おびただしい証言によりカポーティの人物像に迫る本。無邪気すぎる上昇志向とその挫折といったまさにフィクションのような人生がかいま見られる。派手好きで自己顕示欲が強い一方で南部出身のコンプレックスの強い小男…

『冷血』 トルーマン・カポーティ

映画を観る前の予備知識アップのため、カポーティ強化中。 で、この<ノンフィクション・ノヴェル>は現代ジャーナリズムに相当な影響を与えたらしい。実際、例えば同テーマの犯罪実録本は山ほど出ていて、本書の後半での犯罪心理の分析などはありふれている…

カエターノ、セウ

2年前に出ていて聴きたかったのだが、ようやく購入。カエターノは1996年頃にミュージック・マガジンなどで紹介され、一時相当はまって1997年の来日公演も行った。最近はご無沙汰であったが、衰えぬ冒険心とたおやかな歌声にあらためてその存在の大きさを知…

『サンディエゴ・ライトフット・スー』 トム・リーミイ

まあ伝説の作品といって良いと思う(作者は42才の若さでタイプライターの前で死亡)。いつもながらのハーラン・エリスンの濃ゆい序文はとりあえず置いといて、決して派手な作風ではない。作品のヴァラエティはそれなりにあるもののアイディアや話の骨格はシン…

『炎のなかの絵』 ジョン・コリア

いわゆるショートショート集といった感じ。ユーモア色がわりと強いかな。スタイリッシュといっても良いぐらいに長さも皮肉な味わいもオチの決まり具合も揃っている。〈先生、変な夢を見るんです〉の「夢判断」、夫婦のすれ違いぶりがあまりにも見事な「記念日の…

浮上せよ

裏天王山第一試合に未勝利の吉見大先生が!!どうなるかと思いきや、意外や意外手に汗握る熱い試合に!ただ、勝っても天国が訪れるわけではないんだけどね・・・。TVで試合後の字幕「横浜 5位浮上」が泣かせる。<どうやら「巨人 最下位転落」と書きたくないら…

Sparkling Cafe

各所で話題のNescafeの Sparkling Cafe。暑い夏にシュワっとコーヒーを!ってな企画が通った理由は不明。コーヒーが残ったコップに甘い炭酸飲料をいれてしまったような味で・・・。勇気のある方にだけオススメ。

『ぼくがカンガルーに出会ったころ』 浅倉久志

SF翻訳界の大御所の初エッセイ集である。訳文をどうとか評価できる能力はないので、あくまでも印象だけだが浅倉先生というとなんとなく‘軽妙洒脱’という言葉が思い浮かぶ。ヘヴィな傑作や感動の名作も数々紹介されているが、決して物々しく押し付けがまし…

『元気なぼくらの元気なおもちゃ』 ウィル・セルフ

「ごっつい野郎のごっつい玩具」ではなかったのですか? ドラッグ作家による悪夢的世界、みたいな帯の文章は半分あたりで半分はずれ。クールな世界観というよりはやるせない、割と人間くさいトホホな世界がイギリスを舞台に繰り広げられている。そのドラッグ+…

『影が行く』

記念碑的作品。このアンソロジーの高評価から翻訳SF短編出版が安定供給されるようになったと思っている。20世紀SF、奇想コレクション(など)へと続く中村融ブランドの確立ということも出来る。多くは1950年代以降の作品で占められ、モダン・ホラーSF集…

『螢』 麻耶雄嵩

たまには本格ミステリ。とあるオカルト探検サークルの面々が、好事家のOBの招きで、過去に連続殺人がおこった人里離れた洋館で合宿をすることになった。そこには(おやくそくどおりに)嵐がやってきてメンバーらは孤立、そして(もちろん)殺人事件が。誰がど…

『フランケンシュタインの子供』

いくつか問題のあるアンソロジー。ひとつはシェリーの原典関連のものと映画関連のものが混在していること。もうひとつは、テーマに沿って集めて歴史的な流れを、というのは判るが結果的に古い作品と後の時代の普通のSFとで雰囲気に落差がありバランスを欠…

『マッド・サイエンティスト』

異常な科学者が巻き起こす不気味な物語、というアンソロジー。一部ちょっと違う感じの話もあるが。ちなみにすぐ下が原書の表紙。中々いい感じだけど、これじゃ日本では売れないかも(アメリカじゃどうなんだろ?)。印象に残ったのは、1960年の発表ながら昔の…

『蠅』 ジョルジュ・ランジュラン

やはりモーリス・ルヴェルと比較をしてしまう。皮肉なユーモアの感じか。エスプリだろうか。いやそもそもエスプリっていったい何。モレシャン、トルシェ、セイン・カミュ・・・ 閑話休題。基本的にはアイディア・ストーリーだし、ミステリ的な謎解きもあるん…

『パニックの手』 ジョナサン・キャロル

米国版の‘The Panic Hand’の半分とのこと(残りは『黒いカクテル』として刊行予定)。創元の紹介によると、ダーク・ファンタジイというのはこの人からきているらしい。どれもレベルが高い傑作短編集。買いである。集中一番長い風変わりなタイトルの中篇「おやお…

『一角獣・多角獣』 シオドア・スタージョン

一時は名のみ高くて手に入らない、という典型みたいな本であった。実際本気で読むつもりだったかわからない原書まで持っている。とにかく手に入りやすくなってヨカッター。というわけでようやく読了。スタージョンは魔術的な作家で、ちょっと他の作家にはな…

Supercalifragilisticexpialidociousって?

音楽に興味のありそうなプロフィールに反して小説ネタばかりである。少し反省して音楽ネタ。先日NHK BS-1で「アメリカ映画音楽ベスト100 〜AFI(アメリカ映画協会)選出〜」(以前もやっていた気がする)をぼんやりみていたらメリー・ポピンズの曲がけっ…

『終着の浜辺』 J・G・バラード

好きな作家にバラードを入れた癖に、恥ずかしながら本書は初読。意外に(一部を除いて)古典的なSFや現代なら普通小説でも通るよう話が並ぶ。おそらくはバラードが先鋭的であったために40年後になって、アイディアや手法が当たり前に感じられるのだろう。「ゲ…

快勝

「いやあ昨日は3-1で快勝だったね!」「おまえそんな変なことをいってると気の立ったサポーターに張り倒されるぞ!それとも本気で間違えてんのか!?いまどき信じられんやつだな。」「交代もばっちり、3発で沈めたね!」「マジやばいって!ジーコ采配も当た…

若島×大森トークショーの補足

トークショーの補足。当然ニューウェーブ(NW)といえば山野浩一先生で、そのSFマガジンでの作家の点数付け(!)や「NWすなわちno wonderである」(会場ではNW=つまらないの宣言か?などとツッコまれていた)といったキャッチフレーズについても話題になっていた。…