『蠅』 ジョルジュ・ランジュラン

 やはりモーリス・ルヴェルと比較をしてしまう。皮肉なユーモアの感じか。エスプリだろうか。いやそもそもエスプリっていったい何。モレシャン、トルシェ、セイン・カミュ・・・

 閑話休題。基本的にはアイディア・ストーリーだし、ミステリ的な謎解きもあるんだが、どことなく怪奇趣味が入っている感じがする。映画‘ザ・フライ’の原作「蠅」や「考えるロボット」もテクノロジーを扱いながらおどろおどろしい後味がある。解説で、作者が超常現象に魅せられていたり、転生を信じていたことが紹介されているが、確かにその辺と関係がありそう。