『グリュフォンの卵』 マイケル・スワンウィック

全体的に、ジャンル意識と(イラク戦争に異を唱え署名運動した)良識派の信念が感じられる短編集。自分としては、プラス卿とダージャーのコンビのスチーム・パンク風ピカレスク「犬はワンワンと言った」と〈マルコビッチの穴〉風の前半から壮大なSFになる「時の軍勢」が楽しめた。他も様々なジャンルのSFが並び、質は高いが、ややジャンル意識が硬すぎるのは気になる。