ジャガーズ

 ケーブルテレビに入っていて、適当に番組を観ることが多いのだが、チャンネルNECOでGSジャガーズのアイドル映画『進め!ジャガーズ 敵前上陸』を偶然目にすることになった。いやこれはかなりの珍作(1968年)。
 ジャガーズのことはよく知らない。‘君に会いたい’は有名で聴いたことがある(♪わっかさゆえ〜くるしみ〜わっかさゆえ〜なあやみ〜って曲)。
 映画の方は、一言でいえば、アイドルでミュージカルでドタバタで007でサイケでシュール。ちょっと『マジカル・ミステリー・ツアー』みたいな(一瞬『第三の男』のパロディも)。キャストはなかなかにぎやかで、てんぷくトリオ三波伸介戸塚睦夫伊東四朗)、中村晃子ザ・ピーナッツ三遊亭円楽などなど。なぜかジャガーズをつけ狙う悪の帝王とジャガーズの戦いを描く、というどう考えても脱力コメディにしかならない話なのだが、驚くことに登場人物が死んだりする。硫黄島には終戦を知らない兵隊がいて、若い連中から終戦後の日本を説明される下りは明らかにブラックジョークである。どうもアイドル映画にかこつけて、監督が好きなことをやっている感がなくもない。
 そして何より強烈なのは若かりし円楽師匠(ゴージャス松野似!)のプレイボーイ怪演ぶりである。確実に夢に出てくる。
 GSということで、ふと鈴木いづみジャガーズをどう評していたのか気になって手持ちを当たってみたがちょっと分からず。ただ、「なんと、恋のサイケデリック!」にはその‘君に会いたい’が登場しているので、基本的には好きだったんだろうと思われる(インタビューもしていた様子)。さらについでに鈴木いづみのエッセイを読んでみたら、GSだけじゃなくて色々な音楽について言及していてなかなか面白い。

2016 1/3追記。
 かなり製作でトラブってた作品らしい。今更知った(笑)