映画‘スネーク・アイズ’TV視聴、思い出したこと

 冒頭えんえんと続く長回しのワン・カットで、ボクシング場を舞台にしたサスペンスフルな国防長官狙撃シーンが描かれ、おおなかなかいいではないかと思ったのだが。
 一昨年出た『ブライアン・デ・パルマーWorld is yours』の座談会で「後半こそむしろ、らしい」的な意見があったが、うーん普通は前半のサスペンスがうまく収束した方が納得するんじゃないのかな。もちろんデ・パルマ上級者座談会での意見だからアレだけど(いずれにしてもあまり褒められてはいない)。とにかくミステリー的な謎解きの面白さは中盤以降乏しく(あっけなくいろいろな事実が明かされる)、後半嵐の中のクライマックスを狙ったもののなんか盛り上がらず(詰め込み過ぎなのか、迷いがあったのか)。
 まあデ・パルマだからね。話の整合性であっといわせる方向は無いから。要はネタ自体の変態性が欠けていたとみるべきか。なにはともあれあまり言及されないのはやむを得ない様な出来。
 あ、でもファンはやっぱり見ないとね。冒頭はいいですよ。

 

 あと全然関係ないが、今日は真鍋博の誕生日らしい新潮文庫星新一、といえば絵柄を思い出す人はSFファンに限らずものすごく多いだろう。もちろん星新一から入った平均的なSFファンであったので、刷り込みのせいか、SFの基本みたいに感じるイラストレーターである。そういえばレンズマンなんてのもあった。
で、思い出したのだが、先日ぼんやりとNHKの爆問学問を見ていたら恐竜の話をやっていて、主役の恐竜博士が時間軸でとらえると過去も未来も変わらないみたいな話をしだしたのでおやおやと思ったら、父親の絵ですとかいって真鍋博のイラストを見せ始めた。その‘恐竜博士’真鍋真先生は真鍋博の息子だったのである。未来を見つめ続けたイラストレーターの息子が太古の謎(しかも恐竜)に挑んでいる、というなんだかSF小説を地でいくような親子なのだった。予備知識がなかったのでホントにびっくりした。