鼻行類

 先月動物行動学者の日高敏隆氏が亡くなったということで、その事はなんとなく知っていたのだが、どういう人だっけとこないだから考えていて、今日の朝日新聞の読書面(例の筒井連載「漂流」の下)で『鼻行類』の共訳者だと気づいて記憶がつながった。これは楽しい本ですよー。
 1941年、日本軍収容所から脱走した一人の捕虜が漂着したハイアイアイ群島。そこでは鼻で歩く一群の哺乳類=鼻行類が独自の進化を遂げていた―。多くの動物学者に衝撃を与え、世間を騒がせた驚くべき鼻行類の観察記録。(表紙より)
 豊富なイラストでわかりやすく鼻行類の驚異の生態が明らかにされる。まさに知的興奮に満ちた一冊。その記事によると翻訳も日高氏の提案だったそうだ。センスのある方だったんだなあ。そんなこんなで、その後の顛末についての本『シュテュンプケ氏の鼻行類』をついついポチっと。