ミュージカル‘ドリームガールズ’

 さて珍しくミュージカルなぞ観に行ってきた。
 映画でもお馴染みブロードウェイミュージカルの‘ドリームガールズ’が日本にやってきたからである。ミュージカルを観に行くのなんてニューヨークに旅行に行って以来である。たぶん17年前、いずれにしろ前世紀のことだ(笑)。その時はロックオペラの‘トミー’を観たのだが、基本的な筋を知らず英語も分からずあえなく惨敗であった(ザ・フーのファンには叱られそうだ)。今回は字幕付きで筋も知ってるしまずは安心して臨めた。
 いやーこれがミュージカルなんだなー、というのが率直な感想。映画もそうだったけどブラックミュージックの歴史をなぞるように様々なジャンルの曲がストーリーに合わせて次々と素晴らしい歌唱力と見事なダンスで披露され、あっという間にエンディングがやってきてしまう(前後半に分かれているけどね)。
 そりゃあもう最高ですよ!
 実は舞台はそれほど大きくないのだが、寸暇なくめまぐるしく背景のパネルが変化し(これが実によく出来ている)魔術的な効果を生み舞台のサイズにピタリとはまっている。さすが21世紀の舞台だなあ。ちなみに冒頭にブラックアーティストの登竜門で有名なハーレムのアポロシアターの電飾が再現されるが、実際にこの舞台も上演された。個人的な話だがその17年前にツアーで行ったアポロシアターは大きな劇場ではなかった。だから、そのサイズでこのミュージカルは完成されているのだろう。そのアポロシアター、ヨーロッパのクラシックの名門の劇場を軽くパロディにしたようなつくりになっていたもがなかなか面白かった記憶がある。
 内容的に細かい部分では映画と違うところもあるが、基本はほぼ同じ。特に“Fake Your Way To The Top”のジミーとドリーメッツで次第に盛り上がっていくところとかジミーがマイアミのショウで大人しくしていられなくなってしまうところとかエフィーの再出発のオーディションとかクライマックスのところなどなどポイントとなる見せ場の見せ方がほとんど同じであるのが興味深い。元の1981年版のミュージカルってどんな内容だったのかなー。少し違いがあるとすれば、やや映画版の方が現実味を強いことでその辺がメディアの差といえるかな。
 こういうR&B系ミュージカル、また観たいなあー。