‘座頭市地獄旅’TV視聴

 CS日本映画専門チャンネルで定期的に座頭市をやっている。残念ながら全部は観られないのだが、今日は通しで観ることが出来たので備忘録。
 1965年の作品(1965年だけで3本もあるよ!)。博打での揉め事で命を狙われた市がその立ち回りに巻き込まれ病気になった子どもをわけありの浪人と共に助けるものの・・・という話。
 浪人役の若かりし成田三樹夫がクールでありながらどこかとぼけた味を出していて、さすがの存在感。他、山本学戸浦六宏も出ているがさすがにみんな若い。林千鶴(高林由紀子)はどこかで見た記憶のある女優さんだが、武士に男装している姿はどことなく志穂美悦子
 座頭市TVシリーズや映画などちらほら観ているが、勝新の演技は本当に凄くて、裏街道を歩いてきた人間の切なさとしたたかさをユーモアを交えながら表現していて圧倒される。この映画では成田との将棋のやり取りがポイントになっていた。
 映画終了後佐野史郎を案内役に当時の裏話を語る「カツシン・ワンス・モア」もその頃のことをよく知らない自分には発見はいろいろある。ただ豪快で型破りな人物像のみが語られるところは若干不満。一回勝新トークショーを見た事があり(池袋文芸座だったと思う。トークショーがある事を知らず偶然入ったらやっていた。予定されていても登場しなかったこともあるらしく非常にラッキーだった。)、その時聞き手の映画評論家白井佳夫はどちらかというと理知的で細かい人物としての勝新に言及していた記憶がある。実際本人も「目が見えない人物に物がどう見えるのか」といった視点で座頭市の撮影について熱心に語っていて、豪快なパブリックイメージとの落差が大きく感じられたことが思い出される。
 TVシリーズも映画もまだまだほとんど未見で出来るだけおさえていきたいと思っている

※そうそうこの映画、江ノ島〜小田原〜箱根と神奈川が舞台なのも地元民として楽しめた。