『海街diary1蝉時雨のやむ頃』 吉田秋生

 これまたTakemanさんのところで出ているのを知る。感謝であります。
 漫画もまた大した数は読んでいないが、吉田秋生については割りと読んでいると思うし、多少思い入れもある。Takemanさんもご指摘の通り、吉田秋生には長編シリアスものと短めの連作日常ものの二系統があり、前者も好きなんだけど後者がまた良いんだよね。で、その後者に属するもので鎌倉が舞台というのだからこれは!と思った。『蝉時雨のやむ頃』という題名は『夢みる頃をすぎても』あたりのファンへのサーヴィスか(河よりも長くゆるやかに』が一番好きかなあ)。ヘヴィな現実も見え隠れするけど、基本的に悪人は登場せず、穏やかな物語が展開される。人によっては甘すぎるととるかもしれないような話だが、ユーモアで包まれたくどすぎないほどよい情感による味付けはやはりこの人ならでは。