ワールドコン極私的まとめ その4

 やはりウルトラマンが出るとアクセス数が違うのね。さすが日本の誇るスーパースター。特撮ヒーロー作戦!のツバサ様、リンクありがとうございました。
 さて、ワールドコン日曜日の後半、一番楽しみにしていたのはテスラ企画。実は昔お世話になっていた新戸雅章さんに(20年ぶり!に)お会いしようと思ったのだ。もちろん生コイルにも期待大。
 それまでの時間どうしようかなあまあ‘テッド・チャン インタビュー’でも観ようかなどと考えていたが、そんな生易しいものではなかった。
 恐るべしテッド・チャン人気!
 入場者が多くて会場が変わったのかどうかは知らないが、予定の会場だったら立ち見になってたね(そしたら疲労に負けてみなかったかも)。とりあえずついていったら大きな会場でひと安心。
 さらに恐るべしテッド・チャンのルックス!
 若くしてあれだけ質の高い個性的な作品群を物にしたのに!
 見た目は普通の青年!
  ただ各所をまわって気づいた。当ブログの中の人物と同い年ではないか!同い年だったのかあ。もうちょっと応援することにしよう!いやそれにしても若く見えるひとだ。
 短いインタビューは大変だったように思うが、なかなか面白い話も出ていた。淡々と答える本人もいい感じだ。で、またまた印象に残ったこと羅列。

 ・クラリオン・ワークショップが大きな転機となった。トマス・M・ディッシュ、ケイト・ウィルヘルム、スパイダー・ロビンスンなどが講師だった(他にも著名な作家の名が出たようはずだが聞き取れず)
 ・デビュー作「バビロンの塔」をディッシュが気に入り、エレン・ダトロウに紹介。ワークショップまでは作品をほめられたことがなかったそうだ。
 ・寡作の理由「書くことは自分にとってハード」「真に面白いと思うアイディアについてしか書けない」
 ・「あなたの人生の物語」は、癌におかされてしまった妻への夫の思いを描いた劇を観たことがきっかけとなり、出来上がった。

 ・グレッグ・イーガンとちょっとだけメールをしたことがある。
 ・(会場からの質問に対し)シンギュラリティが起こるとは思っていない。
※追記 この企画についてはcatalyさんのレポート山岸真さんのコメントを含め一番充実している思われるので、ファンの方はそちらへ。上の講師の名前もわかりました。お二人に感謝。
 

 で、自分にとってのワールドコン最後の企画、“テスラ―ガーンズバック連続体”。

 司会の新戸雅章さんのニコラ・テスラのHPはこちら
 で、会場を訪れるといきなりテスラコイル不調!先に菊池誠教授のテルミン演奏となった(チャンから続いての登場である。いやいや本当に大活躍)。会場に行って初めて気づいたのだが、これってテルミンテスラコイルのコラボ企画なのね。ブレードランナーのテーマなどを演奏されていたのだが、とにかく演奏うますぎ!前日にテルミンを眺めていて感じたが、実に難しそうな楽器である。ちょっとずれるだけで音階が変わってしまうのに、物差しのない空間で手を動かすからなおさらやりにくい。そんな楽器をあんなに見事にあやつり、しかもブレードランナーのテーマではちょっとマッドぽいアレンジにもなっていた。テルミンじゃないけど、P-funkファンとしてはバーニー・ウォーレルを思い浮かべた。是非ともまたどっかで聴きたいっす!
 ただ、テスラコイルは不調のままで、次に座談会へ。司会新戸雅章の他、鹿野司、アイリーン・ガン、菊池誠(以上敬称略)。なおテスラコイル実演の薬師寺美津秀さんは調整にかかりっきりで座談会に参加せず。自費でテスラコイルを作ったらしい(ちょっと前のようだがこのHPを見ると、かなりユニークな活動をされているようで、この方自身にも興味をそそられる)。座談会ではテスラの経歴と、彼の様々なアイディアが、ヒューゴー・ガーンズバックとコンビであるSFイラストレーターのフランク・R・ポールに与えた影響についてふんだんなイラストや写真によって語られた。やはり面白いのは、プリーストの『奇術師』にも登場するエジソンVSテスラの電流戦争。例えば、「交流の安全性を訴えたいテスラが派手に放電しているコイルの下で読書をしている有名な写真は、トリックの疑いがある。」とか「交流の危険性を訴えたいエジソンは、交流による電気椅子の開発に協力した。」とか。あとテスラのアイディアがそのままポールのイラストになってるのもよく分かった。つまりテスラはSFの恩人というわけである。ところでテスラで検索するといろんな画像が引っ掛かってくるらしく、中にちょっとえっちな漫画も入っていて、うっかり場内に流れて笑いにつつまれていた。そうこうして、気をもませるコイル君がいつのまにやら準備完了!どうやら毎回動くかどうかハラハラさせられるらしい。

 で、一応テスラコイルの動画。
「teslacoil2007.MOV」をダウンロード

 終了後、突然の再会を無理やりふっかけてしまい新戸さん失礼いたしました。本当に楽しいイベント有難うございました。

 さて唐突なまとめ。

 かなり規模の大きな大会で、当ブログレポートとはかけ離れた幾種類ものワールドコンがあったと思う。みなさんのワールドコンはどうでしたか?